
あなたの院では、毎日どれくらいの業務を院長先生ご自身でこなしているでしょうか?
人に任せることが不安で結局人を雇えない……せっかくスタッフを雇ったのに最低限の施術以外任せられない……という「仕事を他人に振る」ことが苦手な先生は決して少なくありません。
「施術も問診も、やっぱり自分がやらないと不安……」
「SNSの更新、LINE予約の返事、月報の作成、在庫管理まで、気づけば全部自分でやってる……汗」
なんて、毎日の雑務に追われてクタクタになっている先生も多いのではないでしょうか。
そしてそんな先生ほど、ついこう考えてしまいがちなんですよね。
「スタッフに任せられたら楽なんだけど、任せられるレベルのスタッフがいないから仕方ない(スタッフにどうやって任せればいいか分からない)」
その気持ち、すごくよく分かります。
しかしあえてハッキリと言いましょう。
スタッフに任せられない(スタッフを雇いきれない)のは、スタッフの能力の問題ではないことがほとんどです。
その正体は「業務の切り分け」と「任せるための仕組み」が院の中に存在していないこと、なのです!
今回は、院長にしかできない仕事に集中して院の売上の上限を突破していくための「業務の切り分け方」と「任せる仕組み作り」についてお伝えしていきます!
目次
院長がすべてやる院から脱却!スタッフに任せられる業務の切り分け方と仕組み化
まずは、院長がすべてを抱え込む経営がなぜ院の成長を止めてしまうのか、というところからお話ししていきます。
朝から晩まで施術に入り、合間に電話を取って、会計をして、閉院後にはSNSを更新して、掃除をして、家に帰ったら勉強のためにwebセミナーに参加したり……
これだけ動いていれば、たしかに「頑張っている」のは間違いありません。
でも、ちょっと冷静に考えてみてほしいんです。
その忙しい一日の中で、
- 集客の数字を見直す時間
- 新しい集客導線を考える時間
- スタッフを採用・教育する時間
- 月報を見て来月の戦略を立てる時間
こういった「将来の売上を作る仕事」に、いったいどれだけの時間を使えているでしょうか?
ぶっちゃけた話、ほとんどゼロという先生も少なくないと思います。汗
つまり院長が雑務に埋もれている院というのは「今日の売上」は守れていても、「来月・来年の売上」を作る人が院の中に誰もいない状態なわけなんですね。
こういったことにあなた自身が薄々気づいているからこそ本当は仕事を任せられる優秀なスタッフを雇いたいと考えたり、すでにスタッフさんを雇っているならそのスタッフに本当はもっと多くの仕事を任せられたら……と悩んでいたりするのでしょう。
しかし、そう思っているはずなのに結局スタッフに今以上のことを求めることができなかったり、あるいは「もっとスタッフがやる気を持って自分からどんどん動いてくれればいいのに」と考えたりするのではないでしょうか?
しかし、先ほどもお伝えしたとおりスタッフに任せられないのは多くの場合においてスタッフさんの能力の問題というよりも、「業務の切り分け」と「任せるための仕組み」が院の中に存在していないことによる院側の準備不足が原因となっているのですね!
ではこれがなんなのかと言うと……
まずは1週間、自分の業務をすべて書き出す
では、実際に何から手放していけばいいのかというと……
まずやるべきことは業務の「見える化」からです!
いきなり「これをスタッフに任せよう!」と決めるのではなく、まずは1週間、院長ご自身がやった業務をノートやスマホのメモにすべて書き出してみてください。
「電話を取った」「タオルを畳んだ」「Googleの口コミに返信した」レベルの細かいことまで、全部です。
書かなくても分かるような当たり前の作業もあるでしょうし「え?そんなの面倒くさい……」と思いますよね?笑
でもここでは一旦仕組み化のためと思って一度だけこういった書き出し作業を行ってください!
これは治療とまったく同じ考え方なんです。
施術だっていきなり施術をするのではなく、まず問診や検査で原因をハッキリさせてから施術に入りますよね?
業務の切り分けも同じで、まずは今の自分が「何に」「どれだけ」時間を使っているのかをハッキリさせて、初めて何を手放すべきかが見えてくるのです。
院内業務の5分類
書き出した業務は、次の5つに分類して整理していきます。
- 施術業務:初回問診、評価、施術、説明、通院指導など
- 受付・運営業務:電話、会計、予約管理、清掃、在庫管理など
- 集客業務:Googleビジネスプロフィールの更新、SNS更新、HP修正、口コミ依頼など
- 人材業務:採用、面接、教育、シフト管理、評価など
- 経営業務:月報・数値管理、戦略立案、価格設計、資金繰りなど
細かく分ければもっと別の分類の形にもできると思いますが、まぁ一旦ここはこんな感じの分類を例にしていきましょう。
例えばこんな風に実際に分類してみると、(①に時間が取られるのは当たり前として)②の受付・運営業務や③の集客業務に、想像以上の時間を取られていることに気づく先生が多いですね。汗
そして経営者として本来一番集中すべき⑤の経営業務が、ほとんど手つかずになっている……というのがよくあるパターンです。
任せられるかどうかの3つの判断軸
分類ができたら、次は「どの業務なら任せられるのか?」を判断していきます。
判断軸は次の3つです。
①頻度が高いか
毎日・毎週発生するルーティン業務は、最優先で標準化したいところです。(そしてほとんどの場合、ルーティン作業を「経営者」がしなくてはいけないということはほぼ無いはずですよ!)
回数が多い分、手放したときに浮く時間も大きくなりますからね!
②判断の難易度が低いか
「この場合はこうする」というルールを決めてしまえば、誰でも対応できる業務です。
逆に毎回毎回ケースバイケースの判断が求められるような問題は、まだまだスタッフに任せずに院長が対応するようにしておいたほうが無難でしょう!
③院長の専門性が必要か
値上げの判断やスタッフ採用、重要な契約などは院長が判断すべきことも沢山ありますが、経営判断や専門性が必要ない部分に関していえば、本来すべてスタッフに任せられる候補ってことです。
この3つで冷静に見ていくと「あれ?これ別に自分がやらなくてもいいよな……」という業務がゴロゴロ出てくるはずですよ^^
特に「受付対応」や「毎回毎回の施術」なんかは頻度が激高ですし、かといって経営判断が必要なほど専門の知識も必要とされないため(施術に関しては治療の知識が必要ですが)、まずはここからスタッフさんを雇っていくことが多いわけですが、そこで止まらずにもっと他にスタッフに任せられる業務が無いか改めて一度院長が抱えてしまっている余計な業務の棚卸を行っていきましょうね!
「丸投げ」で撃沈しない!業務委譲の順番
ここまで読んで「よし、明日から全部スタッフに任せるぞ!」と思った先生、ちょっと待ってください。笑
業務を任せる際に、一番やってはいけないことがあります。
それは……「任せる=丸投げ」にしてしまうことです!
よくある丸投げの失敗パターン
こういうと耳が痛いかもしれませんが、これはスタッフさんの問題ではなく、完全に経営者側の責任なのです。(とはいえ、忙しい院長ほどやってしまいがちなことでもあるんですけどね。汗)
手順も判断基準も伝えられていない状態で「うまくやって」と言われても、スタッフさんは動きようがありませんからね。
任せるにしても最低限のマニュアルなどは用意したうえで任せるようにしないといけませんよ!
仕組み① マニュアル・トークスクリプト
電話対応やLINE返信などは、テンプレートやトークスクリプトを用意しておきましょう。
患者さんに必ず聞いてほしい質問などを紙に書いておき、電話対応の際にはその紙を見ながら電話対応をすることが出来れば、仮に新人の受付スタッフさんなんかでも聞きそびれを防ぐことができますよ!
またLINEの返事などに関しても自由にスタッフに任せていると、スタッフ1人1人の返信内容でも結構な差が出てしまうものです。
こういった頻繁に使うものに関してもあらかじめテンプレートを用意しておき、それをコピペである程度のベースが使いまわせるようなものを作成しておきましょう。
仕組み② 数字と情報の共有(朝礼・終礼・月報)
朝礼・終礼で、その日の予約状況や患者さんの情報を共有する場を作りましょう。
そしてぜひやってほしいのが、月報の数字入力をスタッフさん自身にやってもらうことです。
新患数、リピート率、来院頻度……こういった数字の意味と「うちの院の基準値はこれくらい」というラインを共有しておくと、スタッフさんの動きが変わってきます。
「今月は来院頻度が落ちているから、通院指導をもう少し意識しよう」
と、院長が指示しなくても自分たちで考えて動けるようになってくるんですね!
数字を院長だけが抱えている状態では、スタッフさんは「何を頑張ればいいのか」が分からないままなのです。
仕組み③ 権限の明確化と「院長が出しゃばらない環境」
最後は「どこまで自分で判断していいのか」という権限の範囲をハッキリさせることです。
例えば「予約の変更はスタッフ判断でOK」「回数券の返金対応は院長に確認」といった具合に、線引きを明確にしておきます。(各業務内容に対して、ここを明確にしてないのに毎回毎回ケースバイケースで「いや、それは院長に聞いてほしかった」とか「どうしてこうしなかったの?」とか言っちゃうからスタッフも萎えて「じゃあ初めから全部院長に聞きます」って思考を放棄してしまったりするんですよ。汗)
そしてここが一番難しいところなのですが……
院長が現場で何でもかんでも口を出しているうちは、スタッフさんは絶対に自立しません。
任せたなら、多少やり方が自分と違っても、ぐっと我慢して見守る。(もちろん患者さんに迷惑がかかるような場合は別ですよ?)
場合によっては、あえて院長が現場にいない時間を作ってみるのもアリだと自分は考えますよ^^
院長が出しゃばらない環境があって初めて、スタッフさんは自分で考えて行動する「エキスパート」へと成長していくのです!
まとめ.任せるとは「仕組みと確認の場」を作ること
院長がすべてやる院から脱却するというのは、決してスタッフさんに仕事を押し付けることではありません。
業務を正しく切り分けて、スタッフさんが迷わず動ける仕組みを用意してあげること。
そしてその業務が正しく回っているかを定期的に確認できる場を用意してあげることが大事です。(いくら仕組みを作り込んでいたとしても、任せっきりであとは放置では気づいた時には仕組みそのものが崩壊していたりしますからね!)
それがスタッフさんの成長を支えることになり、同時に院長が「将来の売上を作る仕事」へ戻っていくための唯一の手段なのです!
任せる=丸投げではなく、「仕組み」と「確認の場」を作って初めて任せたことになる、ってことですね。
1つ作業を手放すたびに、院長の時間は確実に増えていきます。
そしてその時間を集客や教育などの「売上を支えるコアな部分」に使えるようになれば、院の売上のは必ず上がっていきますよ^^
ぜひ頑張って今ご自身が抱えている作業をスタッフさんに任せられるようにしていってくださいね!
この記事を通して、できる限りたくさんの整骨院業界に関わる人に、整骨院の経営のノウハウを届けていきたいと思っています。もし、記事が面白いと思ったのであれば、
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