今日の話はすでにスタッフを雇われている先生にとっては「確かにそういうことってあるな・・・」と頷かれる話かも知れません。
あるいは、1人で治療院を経営されている先生からすると「え?それは無いでしょ。」と思われるような信じがたい内容だと思います。
どんな内容かと言うと・・・実は、治療院経営をしていると入社1年目くらいの新人スタッフよりも入社して数年経ったベテランスタッフのほうが「成績が悪い月がたびたび出る」ということが、ちょくちょく起こる現象なのです。
ここでいう成績っていうのは、回数券やプリカの成約率だったり、その販売単価だったり、リピート率だったりといった各数字を指しています。
普通の感覚で考えればベテランスタッフのほうが常に良い数字を残しそうですよね??
それなのに、いったい何故そんなことが起こってしまうのでしょうか?
そして、そうならないためにどのような対策をしておく必要があるのかと言うと・・・・・・
データが無ければ、変化を見落とす
あなたの院では個人の成績を数字として毎月把握するようにしているでしょうか?
そしてその数字はあなただけではなく、きちんとスタッフさん全員が自身の数字を把握しているでしょうか?
当たり前にやっている院からすれば信じられないかも知れませんが、意外と院の数字や自分自身の(成約率やリピート率や稼働率などの)数字をスタッフさんは全然知らない・・・・・・という院は多いのです。汗
売上とか全体の数字だけ出して、各スタッフの個人成績的な数字を出してない先生も多いかも知れませんが、毎月ちゃんとデータを取っていると「個人の数字(例えばリピート率や自費成約率)」なんかの変化が一目瞭然になります。
そして、よくよく数字を見ていると、
「あれ?副院長より新人のほうが成績がいいぞ???」
なんてことが良くあります。
まぁさすがに年間を通してってことは無いと思いますが、月単位で見たりするとちょこちょこそういった月が出たりします。
これは多くの場合スタッフの「慣れ」と、院長側の「あいつはちゃんと出来ているだろうという思い込み」によって起きてしまうのです。
スタッフにおこる「慣れ」
入社して数年も経っている先生であれば、新患さんの初回問診もすでに百回どころか、数百回を超えて入っていることでしょう。
当然ですが、始めて新患さんに入ったときの緊張感なんて忘れてしまっていることでしょう。
これは「治療」に慣れてきて、安心感を持って施術を受けられるなら患者さんも喜ぶのですが・・・
「問診」に慣れてきて、ルーティーンのようにこなされると患者さんは先生に対して全幅の信頼を寄せられなくなるのです。
例えば・・・・・・
と極端な例ではありますが、こんな風になってしまうのです。先生はこれまでの数百回の経験に基づいて、本当に大丈夫と思って患者さんに言っているかも知れませんが、患者さんからすればその瞬間が1回目、始めての経験なのです。(他所の治療院に行ったことがある、という患者さんも中にはいらっしゃるでしょうけど、本当の本当に始めて整骨院に来た、っていう人だって沢山いますからね!)
その「心配・悩みに対する温度差、共感の無さ」を患者さんは敏感に感じ取るのです。
結果的に、治療がしっかりしてて、痛みも少し和らいだけど、なんだかこの先生に自分の身体を任せる気にはならない・・・・・・ということで離脱してしまったりするのです。
この「慣れ」というのは本当にやっかいで、気を付けていないとついつい醸し出されてしまうやっかいなものなのですね。汗(良い慣れも、悪い慣れもあるので今回でいうのはあくまでも悪い慣れのことですね。)
患者さん対応に「慣れ」による共感の薄さが出てきてしまってい無いか、1度しっかりと見直してみましょう。
「あいつは出来るだろう・・・」という思い込み
もう1点の理由として、院長側が「あいつは出来るハズ」と思い込んで、チェックを一切しないことによる問診や治療の乱れがあります。
どういうことかと言うと、スタッフを雇っている院であれば、問診にせよ治療にせよ、とりあえずまずは覚えてもらおうという「基本の型」みたいなものを作っていると思います。(いわゆるテンプレですね。まだそこまで基準作りが出来てない先生もいるかも知れませんが。)
その「型」というのは、過去にうまくいったものを抽出したものなので、その通りにやればそこそこの成果が出る形になっている場合がほとんどです。
ぶっちゃけ「型」通りに行うことを徹底して行えば、100点とは言いませんがおおよそ60点から70点くらいは取れるものなのです。(だからこその「型」ですよね)
当然、それしか習ってない新人が出来ることは「その形を忠実に守る」ことだけなので、結果的にそれが好成績に繋がります。
しかしそれで成果が出たからといって、一時期上手くいっていたことを、一生続けるのは実は結構シンドいのです。
問診や治療も何度も入っているベテランの先生ほど、「最初はこうやって習ったけど、こうやってみたほうがいいんじゃないかな?」と感じ始めるのです。
そうすると、「過去の経験から作った型」から「自分の勝手な考えで変えた型」にだんだん変化していくので、思ったより結果が出なかったりします。
もちろん、自分のキャラクターに合わせたやり方に調整していって、どんどん成果が伸びるケースもあるので、自分に合わせた型に変化させていくこと自体が悪いとは限らないんですけどね。むしろ本当に100点を目指そうと思えば必須の考えとも言えるのですが・・・・・・まぁそれが悪い方に転がることも少なくないよ、ということですね。汗
でも、数字を見直す機会が無いと、「あいつは基本通りやってるはず」と院長は思い込んでしまって、(悪い)変化(が起きていること)に気づかないですし、スタッフ自身も注意されないからそのまま自分がやりやすい方法のまま続けてしまうのです。
これが、結果的にベテランスタッフのほうが数字が出なくなってしまう大きな2つの原因になります。
まとめ.常に見直せる習慣を作っておく。
これらを防ぐには、ちゃんと毎月数字を把握したり、定期的に技術や問診内容をチェックする習慣を設けるしかありません。
単月ならまだしも、数ヶ月続けて成績不振が続くようであればよっぽどでない限りは「あれ?なんかおかしいぞ??」と気づけます。
毎月必ず個人の数字を出せるようにルーティーン化し、もともと数字が出せていたスタッフの数字が下がって来たのであれば1度時間を作って話し合いを行います。
数字の出てない理由がメンタル的な理由(恋人に振られたとか、身内に不幸があった、財布を落とした、等といったような一時的に落ち込んでいるようなケース)で無ければ、1度しっかりと問診や治療、トークの内容をチェックし直しましょう。
そうすればきっと「あれ?ここってこんな風にしろとは教えてないよね?」とか「あれ?前はこんな風にやってなかったよね?」とか「なんか前より患者さんに対する共感に心が籠ってなくない?」ってところが必ず見つかります。
残念ながら、スタッフの数字というのはずっと右肩上がりの成長が続くものではありません。
上がったり、下がったりを繰り返しながら徐々に成長していくものなのです。
そのうえで正しい努力を行っていければだんだんと成長していけます。
しかし場合によっては時間経過と共に、(自分でも気が付かないうちに)ちゃんとやっていたハズのことをしなくなっていたりすると、数字が徐々に低下し続けることもあるのです。
スタッフ自身が正しい方向に成長できているかどうか把握できるようにするために、この部分をしっかりと仕組みにしておかないと、必ずスタッフの数字が下がってしまう時がきますので、ぜひ気を付けてみてくださいね^^
この記事を通して、できる限りたくさんの整骨院業界に関わる人に、整骨院の経営のノウハウを届けていきたいと思っています。もし、記事が面白いと思ったのであれば、
- 「いいね」ボタンを押す
ことをしてもらえると、とても嬉しいです。今後もガンガン情報を公開していくのでお楽しみに