治療院経営では、集客が上手くいって、リピートもしっかりと取れた上で、どうしても最後には単価が作り出す売上の上限というものにぶち当たることになります。(1件で30~40万もするようなアップセル商品などがあれば、状況は変わってきますが。)
もちろん人を雇ってキャパを広げるという選択肢は常にあるわけですが、現在の治療院業界の流れを考えると、気軽に人を雇うという判断もしづらかったりしますしね。汗
最近ではEMSやストレッチなども絡めて、治療家が一切手をかけない形でのメニューを作って売上を伸ばしていくというスキームを試みている治療院さんも見かけますし、人を雇わないのであればこちら側のスキームをメインで作り込んでいく形になるでしょう!
そのうえで一人でやっていく覚悟を決めて、自費売上目標100万!200万!300万!と目標を掲げることは良いことですが、あなたは自分自身の院の単価から推測できるおおよその限界値というものをしっかりと把握した上で目標を描けているでしょうか?
今回はそんな単価が決定づける上限のお話を少ししていこうと思います。
1人治療院の単価から導かれる限界値
スタッフの人数によって計算は当然違ってきますが、今回はあくまでも1人治療院(施術スタッフが1名)の場合を例にしていきます。
よく見る公式かも知れませんが、基本的に治療院の売上は
総来院数 × 平均来院頻度 × 平均単価
で導き出されることができます。
総来院数と平均来院頻度をかけあわせたものが、その月の総施術回数と言っても良いでしょう。
ということは、治療院の売上は(保健請求や交通事故、あるいは物販などその他の売上を除いて)
その月の施術回数 × 単価
でざっくりとあらわされるわけですね。
何を当たり前のことを・・・と思われるかもしれませんが、簡単に行ってしまえば月の施術回数に単価をかければ、おおよその売上が出てしまうわけです。(もちろん、全体の売上ならばこれに加えて物販や美容部門での売上、整骨院であれば保険診療分の売上なども追加される形にはなりますね。)
施術回数の限界値はほぼ決まっている
そのうえで、ぶっちゃけ1カ月でできる施術回数っておおよそ決まってしまっているわけですね。
仮に集客も上手くいって、そしてリピートもしっかりと取れたとしても、1日に無限に患者さんを見れるわけではないですからね。
仮に1枠20分くらいで施術を行っているのであれば、1時間で3枠。さらに仮に9時間診療だったとすると1日でどれだけ頑張っても27人しか患者さんを見れないわけです。
ここに新患さんの枠や、あとは空き時間などを考えると、まぁざっくりと1日20人~23人くらいが1人治療院の先生が1日に見れる患者さんの人数ってことですね!(枠が20分の場合)
ということは、1カ月の施術回数も稼働日数がおおよそ23日稼働だとすると、460回~529回くらいがマーケティング活動が万全にうまくいった上での限界値になってくるわけです。(ちなみに529回なんてのは20分予約枠で考えるとかなり、、、いや体感的にはほぼ休み無しくらいな水準で、460回くらいの施術回数でも「かなり忙しいなー」と感じるくらいの施術回数になりますよ!)
ということはここにあなたの院の施術単価を掛け合わせることで理論上あなたの院が到達できる自費売上のおおよその目安も分かってしまうわけです。
単価当たりの売上上限
例えば自費の単価が2000円の院であれば、そこに460回から529回の施術回数をかけると
2000円 × 460回~529回 = 92万 ~ 105万8千
単価が3000円の院であれば
3000 × 460回~529回 = 138万 ~ 158万7千
単価が4000円の院であれば
4000 × 460回~529回 = 184万 ~ 211万6千
単価が5000円の院であれば
5000 × 460回~529回 = 230万 ~ 264万5千
単価が6500円の院であれば
6500 × 460回~529回 = 299万 ~343万8千
というように、ざっくりとした単価当たりの到達可能売上が出てくるわけです。
もちろん、ここに保険請求をかけている整骨院の先生もいらっしゃるでしょうし、交通事故の売上なんかもあるかも知れません。
EMSやストレッチなどを掛け合わせて、施術時間以外で売上を作っている先生もいるでしょう。
あるいは整体院であれば美容商品だったり物販などで別の売上の柱を持っている院もあるでしょう。
僕のクライアントさんで、1人院長で月商300万とか400万を越えている先生も月の施術回数でいえばだいたい400回前後くらいのものですしね。決して施術のみですべての売上を作っているわけではありません。
その上で物販や美容などの商品も組み合わせていけば、そのくらいの施術回数でも300万は超えられるってことです。
なので必ずしも上記の例が売上の限界とは言いませんが、あくまでも自費治療のみにしぼった売上であればおおよそこのあたりが自費売上の目安になってくるのです。
ということは、自費のみで200万をあげようと思えば単価は最低でも4000円くらいにはしておかなければいけませんし、300万を目指しているのであれば6500円くらいの単価を視野に入れていかなければならないというわけなんですね^^(さらにいえば、回数券やプリカでの割引を行っている先生なんかは、単発の単価でいえばさらに今あげた例よりも少し高くしておかなければなりませんね!)
この単価で見た際の売上の規模感というのは、計算上だいたい決まっているわけですから、あなたの掲げている目標を達成したいのであれば、決して無視はしていけない数字になるのです!
まとめ.あなたの単価であなたの目標にたどり着く?
今回設定した施術回数は、そもそもがわりと集客やリピートが上手くいって初めて達成できる数字です。(15分枠だったり、10分枠ならまた前提は変わりますが)
つまり、マーケティングが上手くいった上ではじきだされる数字というわけです。そもそも集客やリピートがうまくいっておらず、1日のキャパを埋めるのもままならない・・・・・・という状況であれば、単価云々よりも、もっと先に集客やリピートの安定化に対する施策に力を入れる必要があるかも知れませんね!汗
しかし、その状況をクリアしているのであればこういった単価の設定はそれこそ1人治療であればもっとも大事になってくる要素の一つになります。
いかがでしょうか?
あなたの院の単価が現在いくらなのかは自分にはわかりませんが、あなたの院で現在設定している単価で、果たしてあなたが思い描いていた売上目標にちゃんと理論上だけでも届いていたでしょうか?
いろんな先生からコンサルを受ける際に、意外とそもそも設定価格が目標イメージにまったく届いていなかった・・・という例は多いです。
残念ながら、そんな状態ではどれだけ忙しくなったとしても、目標には手が届かないわけです。
なので、ぜひ今回の数字を頭の片隅に入れて、あなたが思い描く目標に届くような単価設定を目指せるように頑張ってみてくださいね^^
この記事を通して、できる限りたくさんの整骨院業界に関わる人に、整骨院の経営のノウハウを届けていきたいと思っています。もし、記事が面白いと思ったのであれば、
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ことをしてもらえると、とても嬉しいです。今後もガンガン情報を公開していくのでお楽しみに