整骨院というビジネスモデルは潰れにくい割には、上手く経営しないと利益も残りにくいビジネスモデルであると言われています。
潰れにくい理由は、固定費や初期費用が比較的少ないため、損益分岐点が低くなることが多く、結果として売上が立たなくても何とかやっていけるというのが1番の理由です。
逆に、何故大きな利益が残りにくいかと言われれば、ビジネスモデルの中にそもそも利益を上げるためのキャッシュポイントそのものが含まれていないケースが多々あるからなのです。
では、いったいどんなビジネスモデルを組めば、安定して整骨院に利益を残し続けられるようになるのでしょうか?
目次
整骨院経営で、利益を生み出す3ステップビジネスモデル
実は、今からする話はオリジナルの仕組みというわけではなく、成功している数多くの起業が採用している当たり前のビジネスモデルなのです。
しかし、整骨院業界ではあまり話されることが無いため、見落とされがちになってしまうのですが、ここで世の中の起業がどういう仕組みでビジネスモデルを回しているかをお話していきたいと思います。
まずは全体像を理解する
下図を見てください。
これが利益が残りやすい企業が必ずといっていいほど、絶対に構築しているビジネスモデルになります。(わかりやすさを重視したため、かなり簡略化して書いていますが、だいたいこんな感じです。笑)
整骨院におけるフロントエンドの考え方
まずはフロントエンド商品です。
この商品を数多くの見込み客が受けてくれれば、受けてくれるほど、あなたの院にリピート患者さんが増えることになります。
そのためには出来る限りこのフロントエンド商品を魅力的な内容にし、かつ魅力的な料金で提供出来るようにしましょう。
「そんなことしたら利益が残らないんじゃないの?」と心配される方もいるかも知れませんね。
安心してください!まったく利益は残りません!笑
フロントエンド商品の目的は利益を残すことではなく、継続してお付き合いしてくれる患者さんを数多く見つけることです。
変な話、5000円の施術を販売するために広告費として5000円かけてもいいくらいなのです。
もし、継続してお付き合いしてくれなくても別に赤字が出る訳ではないので、それはそれでOKなのです。
理想を言えば、毎月かけた広告費がフロントエンド商品の売上とトントンになれば最高ですね^^(広告費=フロントエンド商品の売上となれば、あなたはタダでリピート患者さんを増やしたことと同じなのですから!)
整骨院におけるバックエンドの考え方
次はバックエンド商品です。
これは治療院系のビジネスモデルで言えば、リピート患者さんに提供するメニューに当たります。
多くの患者さんが継続的に通ってくれれば通ってくれるほど、あなたの院の売上はあがっていきます。
必ず、このバックエンド商品の段階で損益分岐点を超えるように院の運営をおこなっていきましょう。
この損益分岐点を必ず超える、ということがバックエンド商品の最大の目的にして、絶対に達成しなければいけない最低限のラインとなります。(リピート患者さんの売上で損益分岐点を超えられないのであれば、常に赤字になる可能性を抱えて院の経営をおこなっていかなければならず、相当苦しい思いをするはずです。)
来院数が多くなってきたり、回数券やプリペイドの販売が好調であれば、このバックエンド商品の売上だけでもある程度利益が残るようになります。
しかし、それはあくまでもリピートしてくれやすい程度の料金の販売を繰り返しているだけですので、この商品を販売し続けているだけでは、あまり大きな利益は残りにくいのが一般的です。
ちなみに、数多くの整骨院が大きな利益を残すことに失敗しているのは、このバックエンド商品で利益を作ろうと必死になっているからなのです!
バックエンド商品であるリピート販売はあくまでも院の運営費、つまり損益分岐点を超えるためのものです。
本当に利益を残したいのであれば、次の「その他アップセル」商品を作らなければなりません。
整骨院におけるその他アップセルの考え方
最後がアップセルです。
これは、継続して通院している患者さんに対して、院内で提供できる本当に質の高いものを提供する場合のメニューです。
院によっては高額自費施術かも知れませんし、美容のメニューや、物販であることも考えられます。
単価も様々ですが一般的に2万〜30万前後くらいの料金を設定しているところが多いようです。
「え?整骨院でそんな高額なものが売れるんですか?」という質問を受けることもありますが、まったく問題なく患者さんは購入してくれます。
なぜならば、既に何度もリピートしてくれたことによって先生との信頼関係が築けているからです。
「〇〇先生が言うなら」と、言ってもらえる関係だからこそ契約率も4割〜7割近く出すことが可能なのです。(多くの失敗するビジネスモデルでは、利益を出したいばかりにアップセル商品を1番最初に販売しようとしてしまいます、が、信頼関係も出来ていないのにいきなり高額商品を売ろうとしても契約率は一向に伸びず、結果的にビジネスの失敗を招いてしまうことが多いようです。)
ここでの売上は、バックエンドの時点で既に損益分岐点を超えているので全て院の利益になります。
おまけに商品自体の単価がバックエンド商品に比べて圧倒的に高い傾向にあるので、リピートしてくれる患者さんを増やして来院数を追っていくよりもずっと効率的に、整骨院に利益を残すことが可能になるのです。
多くの整骨院が、なかなか上手く院に利益を残せないのは、ほとんどの場合この「アップセル商品」がほとんど無いか、もしくは提供できる流れが完成していない場合です。
(利益どころか、損益分岐点に届かないという整骨院経営をされているのであれば、それはフロントエンド商品での集客が上手くいっていないか、もしくはリピート率に問題がある場合がほとんどです。)
まとめ.利益のあがる3ステップビジネスモデルを作成する
仮に整骨院であれ、この3ステップビジネスモデルから大きく外れるのは危険です。
なぜならば、これは大企業の戦略というよりも、ビジネスそのものの原理原則の上に成り立っているビジネスモデルだからです。
来院数を伸ばすことが利益に直結しにくい・・・というのは少し新しい考え方だった可能性もあるので、すぐに転換していくのは難しいかも知れませんが、必ずあなたの院にとってもプラスとなる仕組みだと断言できます。
もし、現時点で来院数もそこそこ多いくて、売上もあるのに、何故か利益が残らない・・・という風に悩んでいるのであれば、是非一度ビジネスモデルの改善を検討してみてはいかがでしょうか?^^
それでは!