治療院において売上をどんどん伸ばしていこうと思えば思うほど、集客方法だったり、人材管理能力だったり、治療技術だったり問診技術だったりと、たくさんのことを覚えていかなければならなくて、いろいろと混乱してしまう先生も多いと思います。
しかし治療院経営というものをシンプルにシンプルに見ていくと、実は治療院経営における問題のステージとは大きく分けて5種類のステージに分けられしまうのです。
あなたの治療院が今どこのステージにいるかどうかで、それぞれの問題に対して取るべきアクションの内容はまったく変わってきます。
しかし、逆に言えば自分の院が今いるステージさえしっかりとわかっていれば、問題に対して今何をしなければいけないかもハッキリしてくるとも言えるわけなのですね!
さて、現在あなたの治療院はどこの問題ステージにいて、どのような手段で問題解決を図っていかなければならないでしょうか?
目次
治療院経営の問題は5段階ある
結論から言うと、治療院経営を上手にこなし、売上を伸ばし、経営を拡大させていくために来る問題の順番は
- 集客の問題
- リピートの問題
- 多忙(キャパシティ)の問題
- 教育の問題
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5.拡大・拡張の問題
で、必ずやってきます。
そして、これらのステージごとにやらなければいけないアクションがまったく変わってくるのです。
では、それぞれのステージで取るべき具体的なアクションを見ていきましょう。
1.集客の問題
まず治療院経営をされている先生の80%はそもそもこのステージを突破出来なくて悩んでいることが多いです。
つまり、単純に患者さんの総数が少なすぎる、新患さんが少なすぎる、、、という問題ですね。
当たり前ですが、患者さんの数が少なくて、自分1人で余裕で回るのに採用や教育なんて一切必要ありません。(将来を見据えて先に学んでおく、ということは否定しませんが、当面の問題では無いということです。)
それよりもこのステージで何よりも優先すべきなのは集客です。
あなたの院に来てくれる患者さんを増やすことです。
患者さんも集まってないのに、理念だとかミッションだとか言っても、あなたの院が潰れてしまったらオシマイです。
この問題を解決出来てないのであれば、自分でチラシを配るとか、口コミをどんどんもらってMEOを育てるだとか、紹介をどんどんお願いするだとか、ホームページを修正するだとか、PPC広告を行うだとか、とにかく患者さんが増える可能性があることに全力を注いでくださいね!
この問題を解決するためには、まずはとにかく集客に対する「手数(広告媒体の数)」を増やしていきましょう。
できればクオリティまでこだわれれば言うこと無しです!
とはいえ「精度(HPやチラシの中身)」を高めていくのは、実際に動きながら同時進行で高めていく形でも大丈夫ですからね!
最初から完璧な物を用意してスタートする必要はないので、早さ優先で動き出しましょう!
2.リピートの問題
では、次のステージです。
いろいろ試した結果、なんとか新患さんは増えたとしましょう。
すると、次に来るのは「リピート率がなかなか上がらない・・・(患者さんが残らない)」という問題です。
この壁にぶつかる先生も本当に多いです。
どれだけ新患さんが来ても、誰も継続して通院してくれなかったら、大問題です。というか死活問題です。
もちろん、何も問題なく患者さんをリピートさせられる先生が中にはいらっしゃることは否定しませんが、多くの先生は思うようにリピート率を伸ばせてないことのほうが多いです。
ここでは自身の問診内容の修正、大前提となる治療の技術力、トークスクリプトの導入、説明用ファイルの準備、サンキューレターや配布物の作成、通院指導の強化、回数券やプリペイドカードの実装などの施策を試していく必要が出てきます。
現実的にはある程度リピート率を高くしてから集客を始めないと、取りこぼし患者さんが増えっちゃって勿体ない・・・という事態になったりもするわけですが、初回問診のクオリティを上げるためにも新患さんを数こなすことが必要だったりするので、集客とほぼ同時に取り組んでいけると良いですね^^
3.多忙(キャパシティ)の問題
集客も上手くいって、リピートもある程度取れるようになってくると、次に来るのは多忙の問題・・・つまり「もう1人(現状)では現場が回らない!」という問題が起こってきます。
予約を取ろうとしても枠が残ってない、新患さんから問合せが来ても予約を受けることができない日が増えてくる、せっかく来院してくれた患者さんも待ち時間が多くて帰ってしまう・・・本当にこんな問題が起こってくるのです。(嬉しい悩みかも知れませんが、当の本人たちは笑えません。)
このステージの問題を解決するために必要な具体的なアクションは、求人か値上げ、あるいは施術の時短です。
つまり人を雇ってもっと枠を増やしてしまえ!という拡大型の判断か、あるいは値上げをすれば患者さんの数は減るだろうけど、売上はそれほど変わらない水準を維持できるだろうから、いっそ1人(現状)で回せる状態まで戻してしまえ!という縮小型の判断です。
同様に現在の施術の予約枠が1人30分だったとすれば、20分にするとか、20分であれば15分枠にするという時短もある意味でいえば、1人で回せる状態に変えてしまえ!という時短による実質的な値上げによる縮小型の判断と言えるでしょう!(キャパで言えばある意味拡大しているわけですけどね!)
どちらの対応にせよ、現場が回るレベルまでの余裕を手に入れることが出来るでしょう。
また、求人は求人でいろいろと大変だったりするのですが、ここで必要になってくるのが、雇用保険や社会保障の完備だったり、理念やミッションの制定だったりするのです。
ちなみに、ずっと1人治療院で経営していくつもりなのであれば、あとはここまでの1から3までのステージの繰り返しになります。
値上げした後の料金でも新患さんに来てもらえるように集客のレベルを上げ、そしてその価格でもリピートしてもらえるように初回問診のクオリティを上げる。
そしてまた治療院がいっぱいになってきたら値上げや時短を検討する・・・
このループをしっかりと繰り返すことができれば、1人治療院でも月商300万や400万を越えていくことも不可能じゃなくなりますよ!(受付さんとかはさすがに雇いますけどね。笑)
4.教育の問題
人を雇うことを決定すると、次に必ず「スタッフが上手に成長してくれない・・・」という教育の問題が起こってきます。(本来であれば、面接の時点で問題のある人は落とすべきですが、面接だけで完璧にその人の人間性を把握するのは、なかなかに困難ですからね。)
スタッフとの人間関係が良くない、スタッフの技術向上がなかなか見られない、スタッフが自費施術を提供することに対してメンタルブロックが掛かっている・・・、などなど。
言い出すと切りがありませんが、多くの場合あなたが思っているほど上手くスムーズにスタッフは成長してくれません。
そして、ここで必要になってくるのが教育の仕組み、あるいは単純に教育力です。
採用した人が1年以内に辞めてしまう・・・なんて死ぬほどよくある話ですからね!
これは経営的にも、資金的にもかなり大きな痛手となってしまいます。
この段階では、キャリアアップの仕組みを整備したり、自身がやっていることを体系立てて教える流れを考えたり、給与の仕組みなどもしっかりと整備する必要が出てきたりします。
理念の浸透などもこのあたりの課題ですね。
この部分を上手に組み立てることが出来れば、基本的に「人の問題」のかなりの部分を削減することができますよ!
上にも書いていますが、一旦はこの部分まで完成してしまえば、スタッフも含めた治療院経営というものの一つの形ができあがります。
新患さんも十分来て、多くの方が継続的に通院してくれて、回らなくなったらスタッフを雇って枠を増やし、そして雇ったスタッフもきちんと成長して戦力になってくれる、と来れば基本的には1つの院でやっていく分には何も困らなくなります。
ですので、次の問題はもっと大きな成長を望む先生だけのステージにはなるのですが・・・
5.拡大・拡張の問題
このステージは自分自身、もっと違う場所で戦いたい、という先生に訪れるステージです。
例えば1院ではどうがんばっても広さ的な限界がある。
だから、移転してもっと大きな箱で治療院経営をリスタートさせるか、あるいは2院、3院と店舗を拡張していくのか?そうすれば自分は現場を離れて、全体の監督のような立場になるのか?
あるいは、今の院だけを今いるスタッフに任せて、自分は自身の成功体験を他の先生に伝えるコンサルタントにでもなって活躍の場を広げるのか?などといった、別のステージへいくための問題が起こってきます。
当然ですが、1院を見ることと複数院を管理していくことには全く別の苦労や問題があります。
あるいは、現場を完全に任せて自分が外部で仕事を始める、というためには院内の流れをガチガチに仕組み化しておく必要も出てきます。
最後のステージはこういった、「今後どういう展開をしていくのか?」をクリアしていくための問題を解決していく必要があるのです^^
まとめ.あなたの治療院に起こっている問題はどのステージ?
僕自身がよくサポートさせてもらっているのは、顧客単価の高い自費患者さんの新患さんを増やし、リピートを伸ばして、院の売上を伸ばしていくステージ1とステージ2、ステージ3を達成するという部分です。
実際、クライアントさんのほとんどが売上も伸びて、忙しくなって大変!というステージ3まで行きますし、月商300万を越えている1人治療院の先生も少なくありません。
求人や教育、拡大・拡張のアドバイスももちろん出来ますが、個人的には教育なんかに関しては、もっと上手に教えられる人がいるしなー、って思ったりしてるのでそっち方面での専門家とは名乗っていません。笑
あくまでも僕は「継続通院してくれる自費患者さんを増やしていく土台を作る専門家」です。笑
といっても、分院展開をして年商数億というステージで戦っている先生たちのお手伝いも、ありがたいことに沢山させてもらえていたりはします^^
あなたの治療院は現在どの問題のステージにいるでしょうか?
しっかりとそのステージを突破するための適切なアクションを取れているでしょうか?
もし、そうでないのであればしっかりとステージを突破するための適切なアクションを起こせるよう頑張ってみてくださいね!
この記事を通して、できる限りたくさんの整骨院業界に関わる人に、整骨院の経営のノウハウを届けていきたいと思っています。もし、記事が面白いと思ったのであれば、
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ことをしてもらえると、とても嬉しいです。今後もガンガン情報を公開していくのでお楽しみに