僕は決してすべての治療院に対して高額な自費施術の導入を勧めているわけではありませんが(グループ院なんかは単価3~4000円前後くらいで人数を回すスタイルでも問題ありませんしね)、それでも1人院長でやっているところなんかは、回転数の問題もあってやはり施術単価を4000円、6000円、8000円・・・と上げていかないと中々売上が安定していかない院があるのも事実です。
とは言うものの、保険診療から自費移行した多くの先生が「1回の施術で8000円とか10000円は、、、それはちょっと、、、」と感じてしまうのも事実です。
しかしじゃあ、1回の施術を4000円で提供している院と、1回の施術を8000円で提供している院では、治療技術や治療効果に2倍の差があるのか??と言われると、正直僕はそんなことないと思っています。(ただ価格設定を変えていて全くリピートが取れていないケースは除きますよ?笑。あくまでもこの単価でやっていけている院で考えた時のことです。)
では、どこにその差が生まれるかというと、、、それは「治療技術以外のサービス(や心遣い)」だったりするのです!
一番大事、とまでは言いませんがあなたはこの視点を軽視し過ぎてたりはいないでしょうか!?
目次
治療院だからといって、治療だけがサービスだと思ったら大間違い!
まず、しっかりと患者さんの痛みを取ることのできる治療を行っている、というのが大前提ですが、、、
それをクリアしているならば、「患者さんは治療院で提供されるあらゆることに対して総合的に価値を判断している」というマインドを持つことが大事です。
ここが腑に落ちれば、いかに治療だけで単価を上げていくことが難しいかがわかるようになってきます。
他の業界を見渡してみよう
例えば飲食業界の大衆居酒屋と高級フレンチのお店を比べてみましょう。
もちろん、素材自体の原価や調理にかかる手間暇、そのための技術力も違うのでしょうが、他にもたくさん違うところがありますよね?
例えば単純にお店の内装の豪華さ、テーブルや食器へのこだわり、あるいはテーブルとテーブルの間のゆとり(大衆居酒屋はほとんど後ろのお客さんと隙間なんてないところだってありますね。)、スタッフからのコース料理説明だったりワインの説明などなど。
やはり高級店には高級店だと思わせるだけの様々な配慮があります。
あえて言うのであれば「あの空間と質に見合ったサービスを受けて食べる」からこそ食事がよりおいしく感じられ、1万数千円の支払いにも納得できるというものです。
もし仮に、素材はまったく同じものを使って作ったフレンチのコース料理が出てきても、大衆居酒屋の空間で、スタッフからの説明も無しに食べれば、確実に評価は落ちることでしょう。(少なくとも僕だったら1万数千円の価値を感じられなくなると思います。)
例えばホテル業界の高級ホテルとビジネスホテル。
部屋そのものの広さや豪華さはもちろんですが、他にもたくさん違うところがありますよね?
例えばホテルマンが荷物を運んでくれたり、ルームサービスのメニューの豊富さだったり、サービスコールでの無茶なお願いへの対応だって全く違ったりしますね。
これはホテル側が「部屋の内装や豪華さだけがすべてだ」と思っていては展開できないサービスです。
そもそも高級ホテルはレシートの発行を願えばしっかりと「サービス料」っていう名目自体あったりするところもありますからね!笑
つまり、ちゃんと自分たちが提供している心遣いなどに価値を付けてるってことです。
治療院業界だったらどんなことができるだろう?
これはなにも他業界に限った話ではありません。
冒頭にも書きましたが、治療院業界だって高額な自費料金を請求しても患者さんが満足して払って、しかもリピートしてくれる院もあれば、そうでない院もあるわけです。
治療技術にそこまで差はない(少なくとも2倍も3倍も差は無い)はずなのに・・・・・・。
では、その差が何なのかと言うと「(治療効果を大事にしていることを前提として)どれだけ治療以外の部分」に気を使えるか?ってことだと僕は考えているわけです。
例えば、高額な自費を請求しても喜ばれる治療院がどんなところまで気を使っているかと言うと、
- 問診を治療の説明だけで済ませるのではなく、あくまでも患者さんの悩みを聞く場だと捉えている(出来ていると思って、全然できていない先生は本当に多いです。)
- 患者さんが知りたいこと、原因や治療方針など、説明に関して手抜きをしない(患者さんの心配を無視して施術だけを行わない)
- ブログ、Instagram、youtube、ステップレターなどを活用して患者さんが知って喜ぶ情報発信を行っている
- 見送り、お出迎えなどの心遣いを可能な限りしている
- タオル・備品などを買い替えを定期的に行っている(気を使ってない所は、何年も同じもの使っている院も沢山あったりします。汗)
- スタッフの靴を玄関先に散らかりっぱなしなんかにしたりしない(裏口がなかったりする院は特に注意)
- 寒い日には温かいお茶を出したり、雨の日には濡れた身体を拭く用のハンドタオルを設置している
- 院の入口の外や駐車場に、ごみが散らかっていたりしない
- 待合で長く待たせてしまっている患者さんには手の空いているスタッフが声掛けに行く
- 院長だけでなく、受付スタッフさんの教育レベルも高い
などなど。
これらだけがすべてというわけではありませんが、要は知ってもらいたいことは治療以外の部分でも価値を感じてもらえる部分はたくさんあるってことです。
これらのことを無視し続けて、治療技術だけを磨き続けても、結局総合的な価値はなかなか上がらないよってことなんですね!
まとめ.施術単価を上げるには、どれだけ施術以外のことへ気を配れるかが重要
正直に言いましょう。
これらはすべて「メンドクサイ」ことです!
ぶっちゃけやらないならやらないでも、治療院としてはそれなりに運営は出来ます。
しかし、他の院も「メンドクサイ」と感じてやらないからこそ、こういう部分にしっかりと気を使える治療院の価値が上がり、実際に高額な自費請求ができるようになっていくわけです。
これは間違いありませんが、掃除だとか気遣いだとかそういった「やろうと思えば本来誰でも出来るようなこと」のクオリティにこだわり、徹底的に細部まで気を配っている院というのは大抵売上も高いです。逆にモロに売上に関わりそうな「問診」とか「プレゼン」にしか力を入れず、そういった細かい部分に気を配れていない院は売上が伸び悩むことが多いです。
まさに一事が万事のごとく、細かいことさえも徹底的に頑張れるからこそ、当然大事な部分である問診やプレゼンのクオリティも高くなりますし、逆に大事そうに見える部分しか頑張れないからこそ、本当に大事なことすら、実はなんだかんだで雑になっていたりするのでしょうね。
治せないから、治療技術が劣っているから、高額な自費が頂けないわけではありません!
治療技術があり、治せたとしても、「それだけ」だから高額な自費が頂けなかったりすることもあるのです!
もし、あなたが1人院長(あるいは少人数のスタッフしかいない)でやっていて、これから単価を上げていきたいと感じているのであれば、治療内容の変更だけを検討するのではなく、しっかりとこういった「周辺にたくさん存在する価値」そのものを上げていけるように頑張ってみてください^^
そうすれば必ず患者さんがあなたの院に感じてくれる価値は上がり、高額な自費施術でも喜んでお金を払い、リピートしてもらえるようになっていきますよ!
この記事を通して、できる限りたくさんの整骨院業界に関わる人に、整骨院の経営のノウハウを届けていきたいと思っています。もし、記事が面白いと思ったのであれば、
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