多くの先生とお会いしていると、施術だけではなく物販を導入していきたい、と言われる先生とも多く出会います。
以前の新型コロナなどの影響によって、店舗内で売上を作りにくかった時期を長く経験した先生ほど、こういった新しい売上の柱を作れる余地がある部分が気になるのでしょうね。
整骨院の先生の中には「整骨院で物販なんて怪しくて売れないよ」とか「いろいろ試したけど、結局整骨院で売れるのは手技だけだったよ」なんて言われる先生も多くおられますが・・・
私自身は整骨院での物販は十分取り組むだけの価値と可能性がある分野だと思っています。(もちろん、決して簡単ではないとも考えていますけどね。笑)
実際にコンサルに入らせて頂いている先生の中にも、物販での売上を大きく伸ばしている先生はいらっしゃいますしね!
では、いったい上手く行きやすい治療院での物販と、失敗しやすい治療院での物販では何が違うのでしょうか?
今回は物販の肝の部分についてお話していきたいと思います。
目次
整骨院での物販に必要な2つの決断
物販の最大の魅力とは、自動化した際に(それなりに原価のほうがかかるとはいえ)人件費がほとんど掛からなくなることでしょう。
さすがにプレゼンがまったくゼロになるってケースは少ないですけどね。汗
仮に1人院長の場合、施術をしなくても自動的に物販で売上が作れる仕組みが作れれば、これほど院の売上アップに心強い味方はいないと思います!
しかし、物販を導入する前に1度落ち着いて考えて欲しい2つの決断があります。それは
・耐久性のある商品を扱うのか、消耗品を扱うのか?
・施術に組み込むのか、無料お試しにするのか?
という2点です。
この部分の決断が、整骨院に物販を取り入れる際の方針の大きな転換点になってくるんですね!
これはどういうことかというと・・・
耐久性のある商品を扱うのか、消耗品を扱うのか?
この2つの特性はまったく違うものであり、そもそも別の戦略で動いていく必要性が出てきます。
どういうことかと言うと、耐久性のある商品の場合は1度購入してしまうとそれ以降の物販はかなり厳しくなります。何故なら壊れにくいため、何度も繰り返し購入する必要がないためです。例えるなら、冷蔵庫やベッドみたいなものです。
逆に消耗品とは、そもそも使い終わればまた買わなくてはいけないのが当たり前の商品ですから、購買頻度は高くなる傾向にあります。例えるなら、化粧品やサプリメントなどです。
この2つはその特性から、価格帯に大きな差が出てくる分、戦略も当然大きく変わってくるんですね。
整骨院に取り入れる物販が耐久性のある商品の場合
整骨院の物販として耐久品を採用する場合大事なのは、1度の販売でしっかりと利益が出るように料金設定を行うことになります。
何故なら(基本的には)1度しか購買チャンスがない耐久品は、その1回の売買で利益を最大化しなければならないため、商品自体の価格を非常に高く設定しなければならないのです。
正直数千円では(物販導入の手間を考えれば)割に合いません。できれば数万円、あるいは十数万円のものを販売する必要があるでしょう。
耐久品を購入した患者さんは来院頻度が下がる傾向にあるため(そもそも家で治療出来ることを期待して購入するのだから)わずか数千円の物販を成功させるくらいなら、数回余分にリピートしてもらうほうがはるかに簡単で収益も上がりやすいからです。
しかしメリットとしては、1度の販売以降にクロージングをかける必要がないというメリットもあります。消耗品だと継続して購入して頂くために、多くのフォローを用意しなければならないため、1回売り切り型の耐久品物販では、その分の余計な手間は少ないと言えるでしょう。
実際にはオスグッド用のインソールだったり、肩こり・頭痛用の枕なんかはこういった耐久用の物販商品と言えるでしょう!
整骨院に取り入れる物販が消耗品の場合
逆に消耗品の物販では継続して購入してもらえることにこそ意味があるため、1回あたりの販売価格は多少落とすことが可能になります。
メリットとしては、当然1回辺りのクロージング価格が下がってくるので、最初の1回目の販売成功率は高くなりやすいので、物販の導入としてはスムーズに行きやすいです。(逆に耐久品は1回の成功での売上は大きいが、当然販売成功率は下がりやすくなります。)
特にポップなんかを貼っておくだけでも販売できる確率が上がるのはこの消耗品物販のメリットと言えますね^^
その変わり、継続購入してもらうための数多くの仕掛けが必要になってくる分、手間が増えるのはこちらのデメリットと言えるでしょう。
大事なのは、自分が果たしてどっちの商品販売にむいているだろうか?としっかり考えることです。
この商品(は良いものだから)知ってもらいたいという気持ちも大事ですが、自分のスタイルに合っていない商品を扱い続けることほどツライことはありませんからね・・・
施術に組み込むのか?無料お試しにするのか?
次は患者さんに「それ欲しい!」と思わせるための導線作りです。
ここでは他業界で上手くいっている例をモデルケースとして説明していきたいと思います。
整骨院の施術に物販商品を混ぜてしまう
美容室では、実は物販販売が無ければとっくに潰れてる・・・と言わせるほど物販販売の売上比率が高いところも珍しくはありません。
ワックスや、スプレー、ケア用のトリートメントやシャンプーなど、数多くの物販商品を取り扱っているところがほとんどです。
では、これらの商品をどうやってお客さんに買ってもらっているかというと、『施術中に実際に使っている』のです。
カットが終わればワックスやスプレーで髪の毛をセットしたり、髪が傷んでいればシャンプーやトリートメントでカット前に髪の修復を行なったりします。これらは全て実演、演出なのです!
正直に言って、実演に勝る販売方法はありません。
整骨院で患者さんがリピートしてくれるのだって、私たちが実際に手技を行うからなのです。実演されて、効果や先生の人柄に納得いくから顧客はリピートするのです!
こうやって、実際に目の前で使われたワックスにより、鏡の前で「お。今回の髪型ちょっといいかも♪」なんて思ったら、自分でもそのワックスを使いたくなる、それって割と当たり前の感情だと思いませんか?笑(実際、僕は美容室で使ってもらったワックスとスプレーをそのまま売ってもらったことが何度もありますよ?笑)
そうやって顧客から「そのワックスってここで売ってますか?」という言葉を引き出したり、自分から「このワックスを使ってみたかったら帰りにレジで言ってみてください」なんて伝えるから物販の販売が伸びやすくなるのです。
これが施術に物販を組み込む、ということです。
整骨院内で物販商品の無料お試しを実施する
もう一つの方法が無料お試しです。これはプロアクティブのような化粧品メーカーが良く使う手法です。
店頭に来ていただいたお客さんに「まずはお試しサンプルをどうぞ」って形で商品の小分けパッケージを渡してしまうんですね。
当然、お客さんも「無料なら・・・」とついつい手が伸びてしまいます。
そして家で使ってみると、今まで使っていたものよりも効果を実感することがあれば、お試しサンプルとして渡されたパッケージの中に同封されていた注文書に手が伸びてしまうのです。これも人としては当たり前の感情ですよね。笑
スーパーの試食なんかも、要はこれと同じ方法でお客さんの購買感情を刺激しているのです。
これが無料お試し、という方法ですね。
この2つの戦略はいずれも物販導入を成功させる上で非常に有効な手法ですので、ぜひ頭の片隅にでも残して置かれてください^^
まとめ.整骨院物販のススメ
今回話したことは決して物販手法の全てという訳ではありません。
物販の導入が失敗しやすいと言われる整骨院業界において、それでも物販を導入するとしたら、こういった考えだけは外さないで欲しい、という気持ちで書かせて頂きました。
それぞれの手法を導入するに当たって、まだまだ考えなくてはいけない数字的な部分や仕組み的な話もあるのですが、大枠のイメージだけでも知ってもらえればうれしく思います^^
特に1人治療家でやっている整骨院なんかは、どうしても自分の働ける時間イコール売上の限界・・・という事態にもなりやすいですからね。汗
労働時間を増やさずに売上を伸ばすことの出来る物販という戦略は、上手に使えればぜひ行って頂きたい戦略の1つとも言えます。
私のクライアントさんでも、上記の「施術への組み込み」や「お試しの実施」により、毎月安定して物販売上を立てている先生もいます^^
特に消耗品系の物販販売が患者さんに当たり前に受け入れられ始めれば、定期的に公式LINEアカウントなどを使って物販キャンペーンの告知を行うだけでも、1通のメッセージで数十万分の物販商品が売れるなんてことも普通に見られるようになります。
商圏内での条件などもありますし、簡単に誰でもというわけではありませんが、物販にもともと興味があった先生などは導入のストーリーなどを描いてみてはいかがでしょうか?^^
この記事を通して、できる限りたくさんの整骨院業界に関わる人に、整骨院の経営のノウハウを届けていきたいと思っています。もし、記事が面白いと思ったのであれば、
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ことをしてもらえると、とても嬉しいです。今後もガンガン情報を公開していくのでお楽しみに