平成における治療院経営成功のイメージは本当に「多店舗の分院展開」だとか、「〇店舗開業」という拡大路線が成功のスケールだったように思います。
これは、保険診療が大全盛で請求に何も問題がなかった頃はそれでもよかったのかも知れません。
もちろん、今でも超巨大グループ院は徐々に増えていっていますし、1つの大成功のイメージとしては間違いないでしょう!
しかし令和の時代を迎え、コロナ禍を経た現在では、スタッフを増員し、分院を増やせば増やすほど、なぜか経営が苦しくなっている・・・・・・という先生も増えていたりもするのです。
むしろ逆に「店舗が減ったら本当に利益が増えた!」「スタッフが居なくなって1人でやり始めて本当に楽になった!」と喜んでいる先生もいるのです。
1人高単価治療院で月商300万とか出している院はこういう感じだったりしますし、これはこれで1つの成功のイメージだったりするでしょう。
結局何が大事なのかといえば「あなた自身がどういう成功のイメージを思い描いているのか?」だったりするのです!
果たしてあなたは「成功のイメージ」を追いますか?それとも実である「利益」を追いますか?
目次
経営は「売上」でなく「利益」を追わなければならない
1店舗目の経営が思ったよりも上手くいった院長先生が、勢いよく2店舗目、3店舗目と分院を展開する先生は以前は結構多かったように思います。
そして開業直後はそれでも良かったかも知れませんが・・・だんだん時間と時間が経つとあることに気がつく人が多いのです。
「こんなはずじゃなかった・・・・・・」
店舗を増やしていくと当然ですが売上のボリュームは上がっていきます。
1院では200万だったものが、3院もあればグループで500万を達成することは簡単ですからね。
しかし・・・・・・
「あれ?売上は凄く増えているけど、、、手元にあんまりお金が残ってないぞ??」
ということに、ふとした時に気づいたりするのです。
スタッフも抱え、人間関係にも気をつかい、そして相変わらず自分自身も現場に出ていたりするから、本当に忙しくて、仕事をしている感じはある。
だけど何故か利益は残っていない。
でも売上もあがってるし、手元にお金が残らないのはまだまだ売上が足りないからだ、なんて考えてさらに人員を拡大したり店舗を増やしたり・・・・・・
このループに入っていくと、いよいよどうにもならなくなっていってしまいます。汗
お金以外に人の問題も。。。。。。
お金が手元に残っていないだけならまだしも(これももちろん大問題ですが・・・)、人が増えると人間関係の問題もどうしても起こってきます。
自分が店舗にいる時こそちゃんと働いてくれるのに、自分が別の院に行っている日は
「あの店舗では〇〇さんが。。。」
「先日〇〇さんと✖✖くんが、、、」
なんて声があちこちで聞こえてくるのですね。
ひどくなると診療が終わって夜22時や23時にも平気でスタッフから愚痴の電話がかかってきたり、、、実際これはしんどいですよ。汗
さらにひどくなると、何も言ってくれないままスタッフが不満を抱えて離職していく・・・なんてことになったりもします。
こっちは院の売上が心配になっているのに、内部でもゴタゴタが起こってそれどころじゃ無くなったりしますからね。汗
結局これって何が原因なの?
何故こういうことになってしまうかと言えば、原因は「売上至上主義」での経営方針に問題があるのです。(人の問題自体は他の理由もありますけど、そもそも人を雇うこと自体も拡大のリスクの一つと言えますしね。)
もちろん成功のイメージを手に入れられれば、内容は構わない、というのであれば、ぜひ売上を追ってください。
売上が上がっている院は、(実際の利益はどうであれ)はたから見ればしっかりと成功しているように見えますからね。
しかし、本来の意味で経営を成功させたいのであれば「利益至上主義」で経営方針を立てていかなければならないのです!
売上とは言ってしまえば「見せかけ」の数字に過ぎません。
大事なのはそこからどれだけ手元にお金が残ったかの「利益」なのです。
大事なのは売上高ではなく粗利率と生産性
では、利益にこだわるとなると何をしなければならないかと言うと・・・・・・スタッフ1人あたりの粗利、生産性を考えることが重要になっていくのです。
特に売上至上主義に陥ってる店舗の売上を、従業員の数で割ると、予想以上に低い数字(1人生産性)が出てきたりします。
さらにはそこから、店舗数増大による家賃負担増、人件費増により、どんどん利益が食われていった結果、手元に何も残らないという現象が起こってしまうのですね。
ですので、大事なことは(店舗を拡大してもしなくても)必ずスタッフ1人あたりの生産性を高めることを意識し続けることがもっとも重要になるのです。(目安としては1人80万〜120万くらいの売上を作れる環境をキープする)
ぶっちゃけ、マネジメントスキルが低い院だと、店舗は拡大すればするほど、1人あたりの売上が低下していく傾向にあるので、1人売上が最低ラインとして80万をキープできないようであれば、分院展開は一旦見合わせるか、断念することも視野に入れることを検討するのも良いと思っています。
逆に、分院を展開していっても1人生産性100万超えを維持できるだけの仕組みが出来上がっているのであれば、強気にどんどん店舗を展開していっても(人の問題以外)問題はおこりにくいでしょう!
まとめ.利益体質の経営ちゃんとできてる?
僕のクライアント様にも、院を一つ減らしたり、あるいはスタッフに辞めてもらってからのほうが院に残るお金が増え、経営が楽になったという先生が何人かいます。
まさにスタッフ1人ひとりの売上が大して上がっていないのにも関わらず、形だけの分院を残していたり、人を抱えていたケースですね。
より利益を残すために、本当に分院を展開する必要があるのか?
そのスタッフに居てもらう必要があるのか?
勘違いして欲しくないのが、この答えがイエスなのであれば、その場合は人を増やしたり、分院を展開することだって正解になりえるということです。
そして、この答えが明確にイエスでないのであれば、人を雇わず、分院も展開せず、1人院で高利益体質の経営を続けていくことも十分魅力的な選択肢だということなんですね!
もちろん、最終的に大事なのは「あなた自身の掴みたい成功のイメージ」ですし、どうしても多店舗展開やスタッフに囲まれた仕事環境が理想なのであれば、万難を排して夢にまい進していくべきでしょう!
しかし、決してそうでないのであれば他人の評価はどうあれ、一度自分の中で目指す方向性をきっちりと定める必要があるのです!
今でもすでに起こっていますが、これからは成功ケースとして、さらに高利益体質の1人院(小規模院)か、本当にシステム化されたグループ院への2極化が進んでいき、そうなれなかった中途半端な院が、どんどんと厳しい環境へと追い込まれていくでしょう。
だからこそ、厳しい環境に追い込まれないために、どちらのケースでも1つの正解の形だと思いますので、自分が本当に求めているやり方を選択してみてくださいね^^
この記事を通して、できる限りたくさんの整骨院業界に関わる人に、整骨院の経営のノウハウを届けていきたいと思っています。もし、記事が面白いと思ったのであれば、
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