
治療家として、現場に来た患者さんに対して考えることは、常に全力で施術をし、結果を出し、喜んで帰ってもらえることだけを考えるのも良いことだと思います。
しかし、経営者として治療院経営を考える場合は、やはりどうしてもそれだけでは足りません。
特に売上を安定的に伸ばしていくために大事な考えとして「来院された患者さんに1番乗ってもらいたい流れ」を予め明確に定めておくことは非常に大切な視点となります。
ここがブレていたり、あるいは決まってなかったりすると、あなたの院との付き合い方が患者さん自身も分からずに迷いますし、治療院の売上も伸びていかないんですよ!
大半の患者さんが通って欲しい流れは?
ドン・キホーテなどの大型小売店なら顧客1人ひとりがどんな商品を買って、そしてそのあとはどの商品を買って・・・
などという流れを考える必要はありません。
出来る限りニーズのありそうな商品点数を揃えて、多くの顧客の要求に答えられる準備をしておくだけでいいでしょう。(出来る限り商品を手に取ってもらえる店内の導線などは非常にしっかりと考えられていますが)
しかし、治療院はそれではいけません。
治療院で言うなら、例えば「最初はまずお試し価格で体験を受けてもらって、次は回数券を買ってもらって、そのあとは会員になってもらう」なんていう風に、患者さんを一番優先してたどってもらうルートをしっかりと定めておくべきなのです。(この時の治療内容・コース自体は、症状によって変化するでしょうが。)
もし、「患者さんの症状を4〜5回だけ通ってもらって治したら卒業でも良い」という考えでやっている院と「患者さんの症状を取るだけでなく、その後2〜3ヶ月かけて痛みのぶり返さない身体作りまで行いたい」という考えでやっている院では、メニューの組み方や料金体系が違って当たり前なんですね。
もし前者の治療院で経営を成り立たせようと思うのであれば、1回1回の施術料金は10000円前後くらいにしなくては、長期的な成長はなかなか望めないでしょう。なんて言ったって患者さんが卒業するまでに4〜5回しか通わないのですから。(もちろん、この金額に見合うだけの価値提供が出来ることは大前提で。)
しかし、後者の治療院の場合3ヶ月間で、仮に20回前後のペースで通うように指導していくのであれば1回1回の施術料金は5000円〜6500円くらいでも全く問題なく治療院の売上は伸びていくでしょう。
この流れを患者さんが通った時には、あなたが十分に納得できるLTVを患者さんから頂けるように商品(仕組み)を予め作成しておくのです。そして、出来ればその流れが患者さんにとっても最大の価値提供が可能となるような商品作りが出来るように目指して頂きたいですね^^
(あるいは患者さんに1年でも2年でも通って欲しい、というのであれば保険請求メインで窓口で毎回500円とか800円くらいしか頂かないようにすれば、1年〜2年通ってくれる患者さんの数を増やしていくこともしやすくなるでしょう。これが戦略的に良いとか悪いとかは別として。)
つまり、患者さんとどういう付き合い方をしていきたいか?次第で、あなたが用意すべきメニューそのものも料金や販売体系(仕組み)から変えていく必要がある、ということなんです。
「治療は自信があるから毎回12000円は頂きたい。でも、患者さんとは出来るだけ長く付き合っていきたいから、1年は通ってもらえるように指導しよう」という想いが仮にあったとしても(そう思うこと自体は悪いことではありません)、それを完全に優先させて、実際に実現しようとしたいというのは、かなりのマンパワーが必要不可欠となり、誰もがやれるステージでは無いんですね。
患者さん(の大半)と付き合っていく流れを決めたら、あとは成約率を上げる
この流れを通れば経営的にはプラスになる状態になっているわけですから、あとは少しでも多くの患者さんにその流れに乗ってもらうことに集中してください。
5回通ってもらう人数を最大化したいならばどうすればいいのか?
15回通ってもらう人数を最大化したいならばどうすればいいのか?
3ヶ月通ってもらう人数を最大化したいならばどうすればいいのか?
6ヶ月通ってもらう人数を最大化したいならばどうすればいいのか?
一生通ってもらえるような治療院にしたいならばどうすればいいのか?
ゴールが違えば、当然メニューや料金や仕組みも変わってきます。
あなたが決めた流れに乗る患者さんの成約率が一番高くなるような仕組みを作成し、プレゼンスキルを伸ばしていくのです!
ここがあなたの治療院の基礎・土台になります!
この流れをガッチリ固めて、さらにそれ以上の売上を作っていきたいのであれば、この土台の上に新しいメニューを載せていけば良いです。
しかし、この流れがグラグラしているのに、新しいメニューや商品をどんどん追加しようとしても決してうまくはいきませんよ!
まとめ.まずはメインに集中する。手を広げるのはそれから
治療メニューを用意して、とりあえず料金を設定して、あとは日々を全力で頑張っていれば、リピートは勝手に伸びる、なんて考えでいると、本当に頑張っても頑張っても満足の行く売上が上がらなかったりします。
そもそも自分で考えている十分なリピート回数に達しても、LTVが全然治療院経営を成り立たせる基準まで達してなかった、とかいう商品の価格設定自体から間違っていることもありえますからね。汗(保険のみでやってたりすると、本当にこういうことも起こります。)
まずは自分の治療院の流れのメインとなる流れをしっかりと決めてください。
そして、その流れに乗った患者さんの数が目標に達しているだけで、治療院の損益分岐点を超えられるようになれば、治療院経営はかなり楽になりますよ^^
いろんなところに早くから手を伸ばすのではなく、ぜひまずはその流れの感覚からしっかりと掴めるようにしてみてくださいね!
この記事を通して、できる限りたくさんの整骨院業界に関わる人に、整骨院の経営のノウハウを届けていきたいと思っています。もし、記事が面白いと思ったのであれば、
- 「いいね」ボタンを押す
ことをしてもらえると、とても嬉しいです。今後もガンガン情報を公開していくのでお楽しみに!