近頃、どこもかしこも自費移行や自費導入に関してのお話が溢れていますね。
僕自身もどちらかと言えば、自費移行をオススメしている側の人間ですが・・・・・・
とはいえ、別に保険メインでやっている整骨院が、別に今後まったくダメになるとは思っていなかったりします。
そこで今回は保険メインでやっている整骨院がどのようなポジショニングをしていけばいいのか、について少し触れてみたいと思います。
目次
保健メインの整骨院の今後のポジション
おそらくこれから東京オリンピックが開催されるまでは、しばらく自費移行、自費導入、単価アップの流れが継続するでしょう。(東京オリンピック以降はちょっと日本経済全体の流れも変わりそうですし、ちょっとまだ不鮮明ですね)
そうなってくると、地域にはどんどん自費で治療を行う高単価院が増えてくるわけです。
まだまだ現在では保険メインの整骨院のほうが多いですが、確実にそういった店舗の数は徐々に減っていき、全体の2~3割くらいはある程度の単価設定をする整体院か、ハイブリッドの整骨院になっていくんじゃないかと思います。(料金設定だけしてるけど、全然上手くいってない院は除外しますよ?それを入れちゃうと、ほとんどの整骨院で一応まったく売れない自費メニューがあるにはありそうなので。笑)
しかもそういった院は結構マーケティングが上手だったりするので、見た目上ではより一層そういった院ばかりになっているように見えるんですね!
こういった高単価の治療院が増えてくると確実に顧客は二分されるようになります。
そういった単価の治療院でもいいからとにかく治してもらいたい、良い治療を受けたいという層と、やっぱり整骨院なんだから以前みたいなある程度安い金額で常に通えるところだと助かるといった層です。
単価を上げていった院は当然前者の患者層を狙っていく形になるわけですが、当然後者のターゲットも変わらず市場には居続けるのです。しかも母数だけでいえば後者のほうが絶対に数は多いですしね。笑
であれば、保険メインの整骨院は意図的に後者の患者層を狙っていかなければいけません。
高単価の治療院が増えることによって、これまでみたいに「整骨院なんだから安いはず」といった共通意識みたいなものが薄れてくる可能性があるので、ホームぺージなどで意図的にその部分を押していかなければならないのです。
そうすれば確実に後者の患者層をガッツリと掴むことができるでしょう^^(そういった層をターゲットにしたいかしたくないかは別の話ですよ?そこは自分自身がどういった患者さんと付き合っていきたいかを真剣に考えなければいけません。)
単価の低い患者層を狙うのは良いけれど
しかし、いくらターゲット層自体が十分にいるとはいえ、低単価でやり続けていく戦略を取るのであれば絶対に解決しておかなければいけない部分があります。
それは・・・キャパの問題を考えるということです。
あなたも聞いたことがあると思いますが、基本的に治療院の売上をあげる公式は
総来院数 × 平均施術単価 × 平均来院頻度
でしかありません。
単価が低いことをメリットに集客を行っていくのであれば、今後も総来院数については心配しなくてもよさそうですが・・・・・・
平均施術単価を低くして、総来院数と平均来院頻度を伸ばすことで売上をあげようとすると、どうしてもキャパの問題が出てきてしまうんですね。
仮に1回の施術を500円くらいで据え置いた状態で、カルテ枚数が200枚あったとしましょう。
平均の来院頻度も保険メインな分伸びやすい傾向にあるので、平均来院頻度が4.5回くらいあったとします。
そうすると、月の施術回数は900回にも達するわけですが・・・果たしてあなたは月に何回くらいまでの施術だったら1人でこなせるでしょうか?
1日30人の患者さんを22日間見てもまだ施術回数は660回です。どうやら1人だと、1日で40人くらいの患者さんを診なくちゃいけなさそうですね。
これを1人で回せるのであれば、保険請求分と足して1人の施術が1回1300円くらいにはなるので、900回をかけて1人整骨院で月に120万近くの売上にはなります。
もしこれが可能なのであれば、1人治療院としても十分やっていけなくはないのですが・・・・・・
ただ・・・正直1日で1人40人の患者さんを診るのはかなりきつそうですね。汗
実際はそこまで1人では見れないからこそ、1人治療院だとどうしても保険依存でいくと月に100万の売上を維持することも厳しくなってしまうのです。(交通事故の患者さんなどがいれば、総合計としては100万は超えるかも知れませんが。)
低単価ならスタッフを雇ってキャパを広げるしかない
つまり、保健依存のまま低単価でやっていって、かつある程度の売上も作っていきたいのであれば、スタッフを雇用して圧倒的な治療回数をこなせるタイプの整骨院にせざるを得ないのですね。
もしご自身を含め、治療家が3人いるのであれば、仮に総カルテ枚数が300枚で、平均の来院頻度が5回だったとしても、施術回数は1500回なので、1人あたりの月の施術回数は500回で済みます。
500回なら22日診療で考えると1日23人程度なので、これなら1日の施術回数としては全然回せそうですね^^
そして、この時の売上は1300円×1500回で約200万ちかくまで行くことができます。
治療家3人で売上200万が高い売上とはいいませんが、十分に整骨院経営が成り立つ程度の売上にはなっていますね。
まとめ.低単価の整骨院はスタッフ雇用型ならやっていける
このキャパの問題が背景にあるため、1人治療院の形態で保険診療のみでやっていくとどうしても十分な売上が立たなくなってしまうのですね。
逆にキャパの問題を解決できる治療家を雇用している形態であれば、単価が安くても施術回数を伸ばせるのである程度の売上は確保することが可能になります。
つまり、1人治療院であれば残念ながら保険依存のままやっていくのは厳しく、ある程度高単価のモデルにせざるを得ないというわけです。(売上をあげていきたいならですよ?生きていくだけなら売上50万で生きていけますしね。)
そして低単価の治療院としてのポジションをずっと築いていきたいのであれば、スタッフを雇用することである程度うまくやっていくモデルを作れるわけです。
地域の治療院が高単価の治療になればなるほど、低単価でやっている院にも患者さんがやってくるようになるでしょう!
個人的には少ない人数で高単価を目指していくモデルのほうがやりやすいという考えですが、最近保険はもうダメだ・・・という話ばかり聞くので、あえてこういった「保健もやりようによっては大丈夫だよ」という記事を書いてみました。笑
整骨院業界は単価が安いところから入って、現在高単価の流れになっていますが。。。
普通の業界は高単価の物が最初に作られて、それからどんどん競合が低単価のものを作って幅を利かせるようになります。(自動車しかり、パソコンしかり。昔はもっと高かったものが、今では安く買えるようになりました。)
ということは、高単価の治療院が増えていった時に、必ずまた低単価の治療院が強みを発揮する時代がきます。(ただし、もう少し先の話なのでそれまでの間どうなるかは保証できませんが。汗)
高単価自費施術も、低単価保険施術も、戦略の一つです。
強みを理解してやっていけば、どちらの戦略でもそれなりにやっていけます!(完全に保険が使えなくなる、とか法改正がなければ。汗)
ぜひ、周りの意見に左右されるのではなく、自分自身の考えに沿った戦略を行動に移してみてくださいね^^
この記事を通して、できる限りたくさんの整骨院業界に関わる人に、整骨院の経営のノウハウを届けていきたいと思っています。もし、記事が面白いと思ったのであれば、
- 「いいね」ボタンを押す
ことをしてもらえると、とても嬉しいです。今後もガンガン情報を公開していくのでお楽しみに!