現在、あなたの治療院では1回あたりどれくらいの単価で施術を行っているでしょうか?
保険のみで窓口500円ぐらいでやっているところもあれば、自費と組み合わせて毎回2000円や3000円くらいでやっているところもあれば、完全自費で毎回7000円~1万円くらい頂いている院さんもいるでしょう。
施術単価自体は、その院のスタッフさんの人数や戦略によって、少し低いから悪いだとか、高ければ良いというものでもないため、どんな金額設定でも構いませんが・・・・・・
とはいえ、もっと単価を上げたいと考えているのにも関わらず、なかなか単価を上げ切らないというのであれば、その場合は問題があると言えるでしょう!
そしてそういった先生はもしかしたら「自費移行に対する認識」自体が間違ってしまっている可能性があります!
この話題は何度もブログで紹介してはいますが、一体どんな認識エラーが値上げを引き留めてしまうのかというと・・・・・・
目次
それぞれの価格にそれぞれの顧客がいる
もしかすると今現在、値上げに対して恐怖がある先生はおそらくこのように考えているのでないでしょうか?
「値上げをしたら(既存の)患者さんが来なくなってしまうのではないだろうか・・・?」
先に結論から言わせてもらえば「まさにその通り」で、大きな値上げをすればするほど今居る患者さんはほぼあなたの院には来なくなってしまうでしょう。(もちろん数百円くらいの値上げなら、そこまで大きな離脱は起きないでしょうが。数千円だとか2倍以上の値上げを行うのであれば一定数の離脱はほぼ必ず発生します。)
ですので、そもそも論として、こんなのは悩みでも何でもなく、予測できる規定路線でしかないのです。汗
この点からすでに勘違いが発生してしまっているのですね!
「え?じゃあ値上げしたら駄目じゃないですか?」
「だからどうやったら患者さんを減らさずに値上げできるか知りたいんじゃないか!」
という声が聞こえてきそうですね。笑
しかしこれはあまりにも視野が「今」に向いてしまっているから起こる問題なのです。
そもそも前提が間違ってる
そもそも値上げというのは単価を変えることによって「あなたの院に来院する患者さんの層を変える」作業なんですね。
もちろん目的としては「売上をあげる(ための値上げ)」でしょうけど、その前段階として「別の顧客層を相手にする」という過程を大いに含んでいるわけです。
ある意味で言えば、今居る患者さんの層からの脱却とも言えるでしょうね。
つまり決して「今居る患者さんから高い施術単価を頂けるようになろう」という施策ではないのです。(もちろん、残ってくれる方もいらっしゃいますが。)
ここを勘違いしているからいつまで経っても値上げできないんですよ。
今現在来店されている患者さんの層からの脱却、という視点を持てば、そもそも今来店されている患者さんが一部来なくなってしまうことなんて「見方によっては自費移行に成功」している、とも言えるくらいなのです!
正直、特に戦略を組まずにとりあえずそのまま突然患者さん全員を数千円単位で値上げしようとすれば5割~7割くらいの患者さんは離脱する可能性が高いと思って構いません。笑
まぁほんとに大きく金額が変わるくらいの自費移行を行うなら、しっかりと事前準備を行ってから行動に移すでしょうから、実際には3~5割くらいの患者さんの離脱で済ませられるでしょう!しかし、誰も離脱しないってはやはりなかなか考えられないことですし、だからこその(顧客層を変えていくための)自費移行だとも言えるのです!
既存患者さんはそのままでもいい
ちなみに、あえて患者さんを減らさずに徐々に単価を上げていきたいのであれば、既存患者さんに対する料金は据え置いて新規の患者さんから「だけ」料金を上げていけばいいのです。(これならば、基本的に既存患者さんは関係ない訳ですから変に離脱が起こったりすることはありません。)
もちろんこのやり方であれば全体の単価アップとならないため、実際に全体の平均単価が上がりきるまでに時間がかかってしまうという欠点はありますが、、、
それでも既存患者さんからの売上はほぼ影響がないため、平均単価がアップするまでにかかる時間のある程度を耐えることができるというメリットもあるのです^^
その後1年もすれば、大部分の患者さんは卒業だとか離脱で入れ替わっているわけですから、1年後には全体の大部分の値上げが完了している、という少し長い時間をかけた戦略ですね。
僕個人の考えを言えば、性急すぎる変革は負担やストレスも大きいので、この「時間をかけて行う単価アップ」自体は全然アリだと考えています!
価格には想像以上に弾力がある
ここまで行くと次は「新規の人でもその料金(値上げ後の価格)で通ってくれるでしょうか?」と質問してくる先生がいます。
そもそもそんなに自分の技術にそこまで自信がないなら値上げをするな、とも言いたくなるところですが、まぁそれは置いておきましょう。汗
ここで知っておいてもらいたいことは、価格には想像以上に弾力性があるということです。
例えば、同じ車でも百数十万で買える軽自動車もあれば、数千万するような高級車だってありますよね?
しかし、どちらの価格層でも(層のボリュームこそ違いますが)必ず顧客は存在します。
ちょっと車だと想像がつきにくいでしょうか?
では、外食を想像してみてください。
吉野家やサイゼリヤに行ったことがある人は多いでしょう。
しかしその一方で、一緒に連れて行く相手が変わったり、あるいは記念日などのイベントごとであれば、高級なイタリアンやフレンチのレストランに行くことだってありますよね?
価格としては1度の食事で5倍~10倍くらい違いますけど、どちらの価格層だって、用途次第では使う機会があるということです。
さらに。もっと一般的なところでいえばレタス一玉をとっても、一番安いスーパーを探す人もいれば、国産だったり有機栽培だったりにこだわり、多少高い金額を払ったとしても自分の納得のいくレタスを購入する層だっているわけなのです。
こういった高級レストランや、有機栽培されたレタスを販売している経営者さんが「もっと安い料金で売っている店があるから、この料金では誰も買ってくれないんじゃないだろうか・・・」と心配していると思いますか?ちょっと考えにくいですよね。
彼らはちゃんと差別化を行い、そういったニーズが存在し、その価格層での利用者を獲得できると確信しているからそこでビジネスを行っているわけです。
つまり、同じような用途の商品であったとしても、必ずほぼどんな価格帯にでも「顧客」は存在するのです。(その代わり、そういったビジネスでは「こんなお客さんはウチには来てくれない、とキッパリ諦める」という、来てくれないお客さんの存在がいること自体は割り切って経営してますから、そういったメンタリティーを持つことも大切ですよ!)
あなたが心配している「この価格だと患者さんは誰も来ないんじゃないだろうか?」という心配は、本当にただの杞憂なんですね。(とはいえ、設定した価格以下の価値提供しかできていないのであれば、それは駄目ですよ?そんな状態では患者さんは誰も来なくなってしまうかもしれません。汗)
まとめ.値上げは新しい価格帯で新規を獲得することに集中する
価格帯によって必ず顧客は存在し、そして値上げというのが既存患者層の脱却である以上、あなたが値上げの際に心配しなくてはいけないことは、「既存患者さん離れ」ではなく、「新しい価格帯での新規顧客獲得」のほうなんです。
ぶっちゃけこの新規集客のほうさえうまくいけば、ほぼほぼ値上げや自費移行は成功します。
こっちのほうがよっぽど重要なことなのに、なぜか「今」の患者さんを見て値上げに踏み切れないという状況に陥っている先生が本当に多いんですね。汗
安心してください。
あなたが値上げしても、必ず新しい価格帯であなたの施術を必要としてくれる患者さんは居ます。
あなたがしなければいけないことは、そういった新しい価格層での患者さんにあなたの院を見つけてもらうための導線作り・集客活動なのです!
ぜひ値上げの本質を勘違いせず、値上げを成功させるために本当に重要な点を意識した上で、あなたの院の平均単価アップへ舵を取ってみてくださいね^^
この記事を通して、できる限りたくさんの整骨院業界に関わる人に、整骨院の経営のノウハウを届けていきたいと思っています。もし、記事が面白いと思ったのであれば、
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