整骨院の経営でこれまで保険請求のみで施術を行なっていた先生の中には、自費移行を目指して、とりあえず自費施術の回数券だけでも用意しておこうか、、、というような感じで自費メニューを用意している先生も多いと思います。(あるいはプリペイドカードの用意とかもそうですね。)
しかし、感覚で自費施術の回数券なんかの料金を設定してしまうと、思った以上に(というか全然)回数券が売れなかった・・・・・・というパターンに陥ってしまうのも事実です。
そこで今回はある程度の目安として『機能する回数券の料金設定』の方法をお伝えしていきたいと思います。
回数券の料金設定はある程度機械的に決まる
失敗パターンその1
これまで保険請求のみでやっていた先生が自費施術の料金を決定する際に1番やってしまいやすい失敗は「その施術でもらいたい金額を単発の料金に設定してしまう」ということです。
これはどういうことかと言うと、あなたが自費施術でやっていきたいメニューがあったとして、その施術で仮に(保険請求プラス)2000円もらいたいな、と考えているとしましょう。
そうすると、この2000円というのを基準に回数券で割引を考えていってしまう、、、ということです。
例えば、
- 1回2000円
- 3回5400円(1回あたり1800円)
- 5回7500円(1回あたり1500円)
- 10回10,000円(1回あたり1000円)
というような具合ですね。
これは多くの場合苦しくなります。なぜならば、実際にもし回数券が売れ出すようになってしまうと、常にあなたが想定した自費施術の料金以下でしか、自費施術が提供出来なくなってしまうからです。
失敗パターン その2
次に多い失敗は、回数券が出ると利益率が下がってしまうのを嫌がって、大したことない割引料金を設定してしまうパターンです。
例えば、
- 1回2000円
- 3回5700円(1回あたり1900円)
- 5回9000円(1回あたり1800円)
- 10回17,000(1回あたり1700円)
というような具合ですね。
これはかなり回数券のプレゼンが難しくなってしまいます。こちらから考えると、かなり割引率を抑えているので、失敗例1よりは利益確保が用意になるのですが、患者さんからみると回数券を買った場合の割引のメリットよりも、一括で支払う料金の大きさのデメリットのほうが強くなってしまうのです。
そうなってしまえば、「途中で来なくなるかも知れないし、ほとんど料金変わらないなら、単発で払ってたほうがいいかな?」という考えが患者さんの頭の中で生まれてしまい、回数券自体がなかなか売れなくなってしまいます。
実際の料金設定の方法
以上2点の例を踏まえると、
- 回数券が出たとしても、自分の利益が確保できる料金設定にする
- 割引率自体はしっかりしたものにしておく
というのが、回数券の料金設定に必要な考え方になります。
では、ここで最初の「とりあえず自費施術で2000円は貰いたいと思っている」というところからスタートしましょう。
この場合、この2000円というできれば貰いたい金額は1番出したい回数券の料金基準にするべきです。
仮に5回券を1番出していくつもりでプレゼンしようと考えているのであれば、
- 1回
- 3回
- 5回10,000円(1回あたり2000円←ここに2000円を設定しなくてはダメ)
- 10回
ってことです。
こうすれば、あなたは初めから5回券をプレゼンしていくつもりなわけなんですから、5回券が出た時にあなたは自分が想定した売上を確保出来るようになるわけです!
では、もう1つ割引率について考えていきましょう。
物にもよりますが、だいたいどれくらい割引をすると、人はお得感を感じるか?という質問に関してはある程度過去のデータから模範解答の数値が出ています。
400円、500円程度の商品を売っている小売業だったら半額くらいインパクトがないと動きませんが、300万、400万もする車の販売なんかだったら1割引でも結構安くなりますよね?笑
なので、業種によって少し違いはあるのですが一般的な人間心理からすると3割引くらいを提示されると「お得感」を強く感じるようになる、と言われています。
この考えをベースに料金を考えると、1回目の料金設定が決まります。
- 1回2800円(2000円の3割増しに設定。本当は2857円ですが端数は消去)
- 3回
- 5回10,000円(1回あたり2000円。←基準値)
- 10回
ですね!
あとは3回券なんかの割引率を10%程度にしておけば、5回券の割引率がより魅力的に見えるで、プレゼンしやすくなるでしょう。
表記の仕方はちゃんとこんな感じにしてくださいね!
- 1回 2800円
- 3回 通常
8400円→ 7800円(←割引率が大したことないので、あまりお得に見えない) - 5回 通常
14,000円→ 10,000円(9900円←もっとお得感を演出したいなら桁数は変える)
ほら!なんだか5回券がお得な感じがしてきたでしょ?(本当は10,000円のところも9900円のほうが桁数が変わるんで、お得感でますけどね。笑)
別の例として、あなたが1回の施術で3000円は頂きたいと思っているなら、
- 1回 4200円(基準値の3割増し。端数は消去)
- 3回 通常12,600円 → 11,400円(←割引率を抑える)
- 5回 通常
21,000円→ 15,000円(基準値3000円)
と、こんな感じですね。
まとめ.回数券の設定は利益も関わるので基本は理詰め
今回の例では、2000円とか3000円とか、あなたが欲しい金額をベースに考えましたが、本来であればちゃんと納得する利益が得られる数字をベースに考えるとさらに経営は安定するでしょう。(こういう数字というのは直感で決めるものじゃないですからね。笑)
それに、今回の例はあくまでもただの一例です。
割引率とかではなくて、1回オマケとか2回オマケにして回数券を出していく方法もありますし、プリペイドカードなんかだと回数券に比べてもう少し割引率を抑えられる傾向にあります。
それに、すでに回数券などを導入して上手く回っているんであれば、わざわざこの理屈に合わせて料金を変える必要は一切ありません。
あくまでも、これから自費施術の料金設定、回数券設定をしていく先生の参考になれば、、、と思い書かせて頂きました。
そういった先生はぜひ参考にされてみてくださいね^^
追伸
この記事を通して、できる限りたくさんの整骨院業界に関わる人に、整骨院の経営のノウハウを届けていきたいと思います。売上とは「治療技術」と「経営スキル」の掛け算です。あなたの友人にも整骨院経営の本物のノウハウを知ってもらうために最後に、下の「いいね」ボタンを押してもらえると嬉しいです。今後もガンガン情報を公開していくのでお楽しみに!