いよいよ2017年4月から整骨院業界において、部位転がしに対する規制が強化されますね。
正直、今までもずーーーっとグレーな部分だったのですから、ここにメスが入ること自体は健全なことだと考えています。
とはいえ、これまでほぼ「保険請求のみ」に頼っていた整骨院の先生はたまったものじゃないと思います。(どれだけ規制が厳しくなるかは蓋を開けてみなければわかりませんが。)
そこで今回は2017年の4月以降、どのような対応をしていくべきなのか!?についてお伝えしていきたいと思います。
目次
2017年4月以降、自費移行できない整骨院は混合治療で乗り切れ!
見も蓋もない話ですが、2017年4月以降から「完全自費移行」してしまえば、基本的に今回の改定の影響は受けなくて済みます。
だってレセプト請求しなくて済むんですから。笑
とはいえ、そんなこと言ったって
「いきなり完全自費移行なんて無理だよ・・・・・・」
という先生がほとんどだと思います。
だからと言って、なんとか3カ月目以降も保険請求の算定ができるような方法はないのか、、、と考えていくのは、今後もっともっと保険請求に対する締め付けが厳しくなっていくであろう現在では、あまりにも先の見えない考え方ですね。
先のことを考えると、どちらにしろ徐々には「自費導入・自費移行」を検討していかなくてはならないのです。
そこで妥協案として出てくるのが「じゃあ、まずは保険と自費を組み合わせた混合治療ならいけるんじゃないか?」ということなんですね。
整骨院が中途半端に自費移行するくらいなら、混合治療のほうが良い理由
誤解の無いように言っておきますが、自費で施術単価5000円以上しっかりと患者さんに請求できる整骨院は、完全に自費移行したほうが良いくらいです。わざわざ混合治療にして、保険の縛りの中で戦うよりも、もっと自由にマーケティングを仕掛けたほうが売上も伸びます。
しかし、自費で施術単価2000円前後くらいしか患者さんに請求できない整骨院は、正直思い切って完全自費移行するよりも、混合治療のまま頑張ったほうが売上は高くなりやすいです。
なぜならば、施術単価が上がれば上がるほど、基本的には集客やリピートが大変になり、院に残る患者さんの総来院数は減っていく傾向にあるからです。
良いか悪いかはさて置き、単価8000円で施術している治療院と、窓口単価500円で施術している整骨院では、よっぽどのことがない限り、整骨院のほうが1カ月あたりの総来院数は多いです。(単価自体は前者の治療院のほうが圧倒的に高いので、総来院数が少なくても売上は前者のほうが高いかも知れませんが。笑)
この時に、現在ほぼ保険診療に頼り切っている院が中途半端に自費移行して施術単価を自費の2000円のみ、あるいは3000円くらいのみにしたとしましょう。
確かに単価は(保険請求の分を考えても)1.5~2.5倍になっているのですが、自費移行する以上は確実に患者さんの総数が減っていきます。(50%とか、あるいは下手すると70%近く減ります。)
こうなると、せっかく頑張って自費移行して単価を上げたのに、単価アップと、総来院数低下が相殺しあって、売上的にはそこまで大きく影響を与えなかったりするのです。(2000円の時に、総来院数が50%減ったとしても、売上は以前より下回ってしまいますから、完全自費なのに単価2000円というのはかなり怖い設定です。)
この自費移行の後に、しっかりと集客をかけて総来院数をもとの状態に戻すことができれば、最終的に売上は上がりますが、、、実際のところは、完全に保険でやっていた頃と同じ総来院数をキープするのはかなり厳しいといえるでしょう。
つまり、総来院数の低下をカバーして、そのうえでさらに売上が伸びるほどインパクトを与えようと思うのであれば、中途半端な自費移行ではダメなのです!
思い切って自費で4000円、5000円、8000円、10000円、と請求できる先生だけが、完全自費移行による単価アップの恩恵を大きく受けることができるのです。
思い切って自費移行できないなら、整骨院では素直に混合治療にしておく
このように、自費移行とは求められるハードルがやはり結構高いのです。
いくら4月以降の締め付けが怖くても、2000円~3000円くらいの自費で、、、と考えているのであれば、最初は保険治療に、さらに混合治療として自費を2000円追加する、くらいの感覚で入ったほうが、よっぽど良いです。
そうすれば、保険請求分は引き続き入ってくるわけですから、もともと窓口500円くらいでやっていた整骨院であれば、単価的には3倍程度になっている計算になります。これなら、仮に総来院数が半分に下がったとしても、まだ単価アップのほうが影響が大きくなります。(仮に総来院数30%まで下がってもまだプラマイゼロくらいです。)
そして、最悪3カ月移行は保険請求を停止して、窓口の2000円(あるいは3000円)だけを患者さんに負担してもらうようにしても、なんとか経営は成り立っていけるでしょう。
まずはこのくらいのハードルで、患者さんから毎回自費をしっかりと頂くことに慣れるのが大事です。
そして、慣れてきた後に、今度こそ思い切った単価で完全自費移行へと移っていけばいいのです^^
まとめ.完全保険診療でやっていた整骨院は無理せず混合治療から始める
この時のために、ばっちり自費移行の準備はしていた!という先生は素晴らしいです。
この機会に思い切って完全自費移行に舵取りを切ってみるのもいいでしょう^^
しかし、残念ながら今の段階で「いや、、、ちょっと完全に自費移行するのは、、、でも2017年4月からの改定は何か対処しなくちゃ、、、」と思っている整骨院の先生は、この機会にまずは自費をいくらか頂く混合治療を始めてみてください^^
「メニューだけはあるけど、買ってくれないんですよ・・・・・・」というようなオプション販売を言っているのではなく、あなたの院に訪れる患者さん「全員」に自費治療分も含めた混合治療で対応するようにするのです。
「当院の方針で、当院では自費も含めた混合治療でしっかりと痛みに対応していきます」的な感じで問診して、自費も含めた治療を当たり前にするのです。オプションで「するか?しないか?」を選べるような自費メニューでは、いつまで経っても自費を支払ってくれる患者さんは増えませんよ!
自費移行とは、「やる」ことよりも「続けていく」ことのほうがしんどい施策です。
値段を変えるだけなら誰だって今日からできます。
しかし、その値段で患者さんを「集客」したり「リピート」してもらうことが難しいのです。
これまでしっかりと準備をしてこなかった先生が「えいやっ!」で飛び込んでも、痛い目を見るだけです。
現状、自身の準備が足りていなかったな・・・・・・と感じる整骨院の先生は、まずは2017年4月以降最低でも混合治療で自費を頂くことを慣れていくことからスタートしていきましょう^^
この記事を通して、できる限りたくさんの整骨院業界に関わる人に、整骨院の経営のノウハウを届けていきたいと思っています。もし、記事が面白いと思ったのであれば、
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