あなたの治療院には何種類の自費メニューがあるでしょうか?
最近では自費メニューの導入といって、どんどん院内のメニュー数を増やしている先生も多いですね。
自費メニューが沢山あれば患者さんの細かいニーズにまで対応できるといった点ではメリットもありますが、それなりにデメリットも存在するのです。
たしかに自費メニューがあればあるほど利益も高くなりそうな気がしますが・・・
集客にかかるコストや教育にかかるリソースを考えると、残念ながら導入している自費メニューの全てが、ちゃんと利益として伸びることに直結しているとは限らなかったりするのですね!(見た目上の売上だけは伸びてたりしますが。)
実は自費メニューを導入して、単価を上げていきたいとは言っても商品が「ある状態」になってしまっているなら、導入しない、あるいは撤退したほうがマシという「最悪の状態」があるのです。
では、その最悪の状態とはどんな状態なのかというと・・・
目次
整骨院・整体院において一番良くないのは自費メニューが少しだけ売れ続けている状態
結論からいうと、毎月少しずつだけ出ている自費メニューというのは、もっとも状態としては良くないと言えるのです。(ほとんどの患者さんは受けないけど、毎月全体で2~3人だけは受けてくれるような自費メニューとかね。ただし、元から月に1人2人だけが購入してもらえることを狙っているような50万100万を越えるような超高額メニューの場合はこの限りではありません。)
この状態に比べるのであれば、商品・サービスを誰一人買ってくれていない、という状況のほうがはるかにマシなのです!
「え??あれ??逆なんじゃないの??まったく出ないよりは少しでも出たほうが良くない??」と思ったかも知れませんね。
しかし、それは違います。この理由は何故なのかというと・・・
少しの売上でも導入している以上リソースはかなり割かれる
最大の理由はこれです。
どれだけ毎月受けている患者さんの数が少ないメニューであれ、導入している以上はそこにあなたの院の貴重なリソースを割かなくてはいけないのですね。
例えば機械。
仮に月に2~3人しか受けなかったとしても、残しているだけで院のスペースを占領し続けるわけです。
撤去すれば他のものに回せるスペースが確保できるにも関わらず・・・(もうほとんどの患者さんは使っていないけど、昔から居る患者さんだけが使っているウォーターベッドとかね。汗)
例えば手技による自費メニュー。
毎月400回施術しているうちの、10回程度しか受けてもらえない自費メニューだったとしても、数が少ないからと言って技術練習を怠るわけにはいきませんよね?むしろこういう状況のメニューは高額自費の手技だったりするので、むしろこっちのほうがエネルギーを割いて技術練習しなくてはいけなかったりするくらいです。しかし、練習している時間に見合うほどの売上までは上がってこない・・・というのは結構ツライ状況と言えますよね。汗
例えば教育時間。
メニューとして導入している以上、スタッフを雇っているならスタッフもそのメニューに使う技術や手技を身に付けてもらわなくては困りますよね?
メニューが増えた分、教育にかかる時間はかなり増えるにも関わらず、ぶっちゃけ教えたことのリターンを得られるほどそもそも自費メニューが出ていかなかったり、最悪全部のメニューを一通り覚える前に退職したりね。手技やメニューの種類が増えれば増えるほどこの現象も起こりやすくなりますが、これはつらいですよ・・・・・・
例えば集客コスト。
院内でのアップセル提供のみであればそれほど気にする必要はありませんが、集客コストをかけて外部からの集客を行っているなら、やはりある程度の母数をしっかりと集めることが出来ないと問題になってきます。
結局毎月少人数にしか受けてもらえず、売上の増加もほんの少し、でも集客コストやローンなんかが掛かっているからよく考えれば利益としてはトントンか、下手すると赤字・・・
これはツライですね。汗
他にも沢山割かれてしまうリソースはありますが、、、
このように、提供する瞬間の手間だけ考えれば「ちょっと自費で売上があがってラッキー」くらいに思うかも知れませんが、深く考えていくとまったく費やしたリソースに対するリターンと釣り合っていない場合がほとんどなんですね。汗
というか、ほとんどの場合その自費メニューが無いほうが、よっぽど他のもっと売上が伸びることにリソースを使える分マシ、という状況に陥るのです。
大事なのは8割の成果を上げるポイントに集中すること
結局これって何が起こっているかというと、いわゆる「8対2の法則」や「パレートの法則」で言われるところの、重要でない部分に労力を割こうとしていないか??ってことなんですね。
今後大きく成長させていくつもりで、今だけまだスタートアップの段階だから売上が低い、というなら別ですが、もうずーーーっとメニューとしては存在しているけど全く成長せずに低空飛行を続けているようなメニューはすぐに撤退させることも検討してみてください。根本から戦略をいじるつもりが無いのであれば、きっと今後も成長することなく、あなたの大切なリソースを食いつぶし続けるだけです。
「え?でも数人とはいえ使っている患者さんがいるんですけど・・・」という声が聞こえてきそうですね。
気持ちはわかりますが、だったらそういった患者さんには、もっと別の形で価値提供できるような提案をしてあげてください。
何も今ある自費メニューや機械などに拘る必要はないのです。大事なのは価値提供できるかどうか、なのですから。
極端な話ですが、その患者さん1人のためだけのオリジナルメニューを毎回作成して提供するわけにはいかないでしょう??
たった1人の患者さん(あるいは2~3人程度)が酸素カプセルを受けたいからと言って、酸素カプセルを導入しますか?間違いなくしないですよね?笑
であれば、もともと院に酸素カプセルなんかがあったとして、すでに2~3人程度の患者さんしか受けていない酸素カプセルは何故院から撤去しないのでしょう?
せっかく買ったから使わないともったいない、と考えているのかも知れませんが、その状況を維持するために今後使われ続けるリソースのほうがよっぽど勿体ないですよ!(設置スペースなども含めて)
それよりも、もっとあなたの院で売上を伸ばしているメインの部分があるはずです。
そういった部分の売上をもっと伸ばしていくことに全力を傾けたほうが、精神的にも楽ですし、実際そっちのほうがよっぽど売上も伸びていくんですよ^^
まとめ.わずかしか出ていないメニューは整理する
不思議なもので、利益が低い院ほど、自費メニューの種類自体は多かったりします。(もちろん、そうでない院だって沢山ありますが。)
そういった沢山の自費メニューのそれぞれにリソースを割かれてしまい、結局根本的な利益増加に結び付いていないのですね。
ですので、まずは自身の院のメニューを一旦整理してみてください。(1人院長で特に追加の集客コストや追加の投資を必要とせず、デッドスペースが生まれないような機械・・・ということであれば、まぁ余計なリソースを食う訳でもないので、最悪放置もアリでしょう。)
ほとんど受けていない・売れていないのに、ずっと残っている商品やサービスはありませんか?そして、売れていないからもっと出していくためにはどうしたらいいだろうか、、、と頭を悩ませていたりはしませんか?
その発想を持っていいのは、これからその商品を売上の柱にしていきたい場合だけです。
それ以外に今後伸ばす予定のないメニューは思い切って撤退させましょう!そして、残ったメインの商品の提供、サービスの向上に全力を傾けるのです!
メニューが増えるイコール(売上が伸びたとしても)利益が大きくなるとは限らないのです!
大事なのは見かけの売上にとらわれるのではなく、あくまでも集中すべきメニューにリソースをちゃんと投資出来ているかどうかですよ!
普段からリソースを食われているという実感がない人はピンと来にくいかも知れませんが、これは想像以上に大事なことですので、ぜひ意識されてメニューの整理整頓を行ってみてくださいね^^
この記事を通して、できる限りたくさんの整骨院業界に関わる人に、整骨院の経営のノウハウを届けていきたいと思っています。もし、記事が面白いと思ったのであれば、
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