このブログでも何度もお伝えしていますが、治療院経営を安定させる秘訣(というよりどんなビジネスでも)の一つが、高いLTVを安定させることになります。
1回の施術単価が高くても、極端にリピート率が低ければLTVは低下しますし、その逆に仮に1回の施術単価自体は低かったとしても、リピートの期間が極端に長かったりすればLTVは上昇したりと、いくつかの条件が整ってはじめて安定するのがLTVという数字になります。
もちろん基本的にはLTVは高ければ高いほど利益体質の経営を行いやすくなりますし、素晴らしいわけですが・・・
まぁ現実的な話として、無限に高くしろっていうのも難しい話ですよね。笑
そこで今回は整骨院や整体院における、現実的なラインでのある程度の適正値としてのLTVの基準についてお伝えしようと思います^^
目指すべき最高峰の数字というよりも、この水準に達していない場合の注意喚起として意識してみてください!
目次
整骨院や整体院のLTVはどれくらいが適切なのか?
極端な結論だけを言えば、本来は整骨院や整体院のLTVは「○○○円までたどり着けばOK!」という数字があるわけではありません。笑
少しでも上げられる余地が残っているのであれば、上げたほうが良いに決まっていますからね!
とはいえ、これで終わってしまったら怒られますからもう少し解説を・・・。
世間の整骨院や整体院のLTVってどれくらい?
例えば、ある程度経営がうまくいっている整骨院や整体院のLTVであれば、仮に半年LTVだとすると(1カ月なのか、半年なのか、1年なのか、集計する期間によってLTVは変わるので)、まぁスタッフさんも雇われてやっているところがだいたい35000円~50000円くらい、1人治療院でやっている先生だと40000円~60000円くらいのレンジがボリュームゾーンになります。
もちろん、もっと良い数字(7万とか8万とか)をたたき出している院もありますが、そこを基準に考えるとさすがに厳しいですからね。笑(もちろん、逆に上記の数字に全然届かないようなLTVの院だっていくらでもあります。汗)
ちなみに、LTV8万とか出している院は相当の利益体質の院だと思って大丈夫ですよ!集客に掛けられる予算も十分に確保できますし、安定して集客出来ている間は確実に利益が増加していくような経営体質になっているはずですね^^
「え?うちは普通に10万円のプリカとか販売出来てるから楽勝じゃん!」って思う先生もいらっしゃるかも知れませんが、勘違いして欲しくないのは上記の数字はあくまでも「平均でのLTV」であるため、1回離脱の人とかも含めての平均な訳ですね。
極端な話でいえば、10万円のプリカ販売が5名、1回離脱で売上に繋がらなかった人が5名いた場合の平均で取れば、その際の平均LTVは5万になるってことです。(もちろん初診料で数千円くらいはもらっているでしょうが、ここでは計算を単純にするため割愛)
ちなみに、スタッフさんを雇っているところと1人院長でやっているところでLTVに差があるのは、
- 1人院長の治療院のほうが単価が高い場合が多いこと
- 単純に1人院長でやっているほうがリピート率などが高くなる場合が多いこと
- (キャパの問題もあるので)新患さんを厳選するためお試し患者さんによる1回離脱が少なくなりやすいこと
などが要因としてあげられます。(どうしてもスタッフさんを大量に抱えると、その分大量に新規を集める必要が生まれますし、お試し患者さんの増加などによって、1回離脱の増加や、リピート率の悪いスタッフさんも出てきたりすることが多いですからね。汗)
とはいえ、これはあくまでもボリュームゾーンの話であり、あなたの院のLTVが適切かどうか?ということに関してはあまり関係のない話になります!
とりあえずの目安程度に自分の院のLTVは今51000円だから、だいたいボリュームゾーンの平均くらいには居るのかな??まぁある程度大丈夫かー、くらいに捉えていただければ良いと思います^^
では、実際にあなたの院のLTVが適切な値になっているかどうかを判断するにはどうすれば良いかというと・・・
集客コストが分かれば適切なLTVが見えてくる
答えはあなたの院が1人の新患さんを獲得するのにどれくらいのコストがかかっているかで判断することが出来ます。
集客コストというと、それぞれの媒体によって結構な差がありますが(例えば1人あたりの集客コストとして、紹介は0円だが、チラシだと10000円、ネットだと6000円など開きがある)、ここではそれらを全部ならした数字だと思ってください。
仮にあなたの院が集客コストとして8万円かけていたとしましょう。そしてその月の新患さんが全部で20人だったとしたら、1人あたりの集客コストは4000円になります。(すごくざっくりした計算ですが、とりあえずはこれでいいです。)
このときの集客コストがLTVの10%以下になっていれば、十分に利益の残る健全な経営体質になっていると思って頂いて大丈夫です^^(集客コストがLTVの10%以下であれば、残りの90%で人件費や固定費などを支払ったとしても、十分に利益が確保できる水準です。)
この例の場合でいえば、LTVが40000円以上であれば、ある程度適切なLTVになっているということですね。
つまり、「自分はスタッフを雇っている院で半年のLTVが35000円だから、まぁ平均値がそれくらいみたいだし大丈夫だろー」と思っていても、集客コストが4000円とか4500円かかっているとしたらちょっとそれは(若干ではあるけど)適正とは言いがたいということなんですね!
集客のコストがジワジワと上がっている院も多いでしょうから、本来であればそれに伴ってLTVも上がっていかないと経営的には厳しくなっているはずです。(だからこそ値上げなどをしてLTVを上げられるように施策を行う訳ですね。)
この院であれば集客コストは3500円以下になっているか、あるいはちゃんとLTVが40000円とか45000円を超えていることが望ましいわけです。(とはいえ、実際のところで言えば集客コストがLTVの15%とか、最悪20%くらいまでになっていたとしても、経営が急に傾くほど悪いってほどの数字ではないんですけどね。あくまでも高いレベルで安定させたなら10%以下を基準で考えると安心ってだけです。)
まとめ.整骨院や整体院の適切なLTVは集客コストで判断する
高ければ高いほど望ましいLTVですが、だからと言って10万、15万、20万・・・と、無限に上げられるわけではありませんし、そう言われるとさすがに辛いと思います。
が、基準となる数字を知っていないと何をゴールに動いていいか分からないのも事実ですからね。
今回は1つの基準値として、目指すべきLTVは集客にかかっているコストの10倍以上(集客コストがLTVの10%以下)になっていることが望ましい、というお話をさせていただきました^^
とはいえ、「まったく集客をしていないから集客コストが全体で月に1万円しかかかってない!だから平均LTVも1人あたり2万円しかいってないけど、これで適正値だぜ!!」というのは無しですよ?笑
あくまでも上記の基準は広告費をかけてちゃんと集客をし、十分な新患さんを確保できている上でLTVが基準を満たしているかどうかという話になります^^
またボリュームゾーンでいえば院の形態にもよりますが、35000円~60000円くらいが、まぁ一般的な治療院のボリュームゾーンだと考えてもらっても良いでしょう!(それ以上のLTVが出ている院はしっかりと努力が成果として実っていると思ってください^^)
ただし今後さらに集客にかかるコストが上がっていくようであれば、それに伴って目指していくべき水準のLTVも上がっていってしまうことは頭に入れておいてください。
現在の水準の数字が今後も一生変わらないというわけではありませんからね!
あなたの治療院のLTVは果たして現在での適正範囲内に収まっていたでしょうか?あるいは、世間のLTVのボリュームゾーンに達していたでしょうか?^^
ぜひ、一度ご自身の院のLTVや集客コストも計算されてみてくださいね!
この記事を通して、できる限りたくさんの整骨院業界に関わる人に、整骨院の経営のノウハウを届けていきたいと思っています。もし、記事が面白いと思ったのであれば、
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ことをしてもらえると、とても嬉しいです。今後もガンガン情報を公開していくのでお楽しみに