今回は経営と集客に関わる大事な話をしたいと思います。
それは・・・
「集客を行う際にかかるコストを減らす努力は非常に大事だけど、その点を集客における最重要点に置いてしまうと集客が破綻する」という考えです。
この考えがしっかりとインストールされれば、あなたの院の集客力と経営がとても力強くなります。
逆にどうにもこの考え方が受け入れられなければ、1人当たりの獲得広告単価が右肩上がりの傾向にある令和を迎えた、これからの時代ではだんだんと集客を行うことが難しくなり、経営も厳しくなってくるでしょう。汗
気持ちの上では受け入れたくはない集客コストですが、しっかりとこういった観点から冷静に見つめなおしてみてください。
目次
集客では無理にCPAを下げようとしてはならない
結論から言えば、経営を安定させたいのであればCPAを無理に下げ過ぎようとしてはダメってことです。(CPAってのは、ざっくり言うと新患さんを1人獲得するのにかかるコストと思ってください。5万円広告費かけて10人新患さんが来院したら、CPAは5000円といった感じです。)
こんな話をすると、
「え?CPAは低ければ低いほどいいんじゃないですか?」
ということを聞かれたりします。
確かに気持ちはわかりますし、極端な理想論でいえばCPAは低ければ低いほど良い、と言えなくもありません。
そりゃ0円や100円で新患さんが自由に獲得できるのであれば、誰だってそのほうが良いでしょう。
たぶんあなたも1人の患者さんを獲得するのにかかる費用は低ければ低いほうがいいんじゃないの?って思いますよね。(ただし、それが本当に実現できるのはすでに実績も十分に積み、地域での評判や認知度も上々になった、何もしなくても紹介が十分に発生しているような安定期に突入しているステージの治療院にのみ適応される考え方なんですね。認知度の無い開業初期や、まだまだ売上を伸ばしていきたい成長期の治療院が目指して良い方向性ではないのです!)
だからこそ、Instagram広告が良いと聞けばInstagram広告を試し、PPC広告が良いと聞けばPPC広告を試し、YDNやGDNなどのディスプレイ広告が良いと聞けばディスプレイ広告を試し、、、と少しでもCPAを低く顧客が獲得できる媒体を探し求めるわけですからね。笑
もちろん、CPAが低く新患さんを獲得できる媒体があるのであれば、その媒体を使ってみること自体は悪いことではないです。
もっと言えばCPAを「適切に下げる努力」を続けること自体は非常に良いことです!
ただ、CPAを下げることに執着しすぎるのは「集客」というものの本質から外れるよ、って言いたいんですね。
CPAを下げることに執着しすぎると使えない媒体が出てくる
仮に、PPC広告やInstagram広告やミニコミ誌などを含めたいろんな媒体を使っていて全体の平均でCPA1万円で新患さんを40人獲得できていたとしましょう。(まぁこの計算だと月の広告費が40万くらいかかる計算になっているので、多分ここまで広告費をかける治療院さんは少ないでしょうけど、とりあえずこの仮定で話を進めます)
この時CPAを下げることだけに意識を向けるとどうなるでしょう?
平均CPA1万円とは言っても、その内訳は様々ですよね?PPC広告だけならCPAは5000円くらいかも知れないですし、ミニコミ誌のCPAは1万5千円くらいかかっているかも知れません。(あくまでも例ですからね?笑)
そしてこの先生は「ミニコミ誌はCPAが高すぎるし、やめようかな」なんて考えるわけです。
こんな感じでCPAの高い媒体をどんどんやめていけば、当然平均CPAは下がっていきます。
しかし、同時に獲得できる新患数自体も当然減っていくんですね!(これまで使っていた媒体をどんどん削っていくわけですから、当然といえば当然の結果ですよね)
結果的に、CPAを下げようとした結果、上記の例の院でいうのであれば、平均CPAは8000円まで下がったけど、月の新患数も30人に減ってしまった、なんていう結果になる可能性もおおいにあるという訳なんですね!
これってどうでしょうか?確かにCPAは下がっていますし、当然毎月支払う広告費も安くなるでしょう。
しかし、それで新患さんの人数がガクっと減ってしまう(上記の例でいえばもともと40名集客できていたものが、30名に減ってしまった)のであれば集客という側面から見れば本末転倒でないでしょうか?
もちろん、最終的な集客人数が減っても、広告費を抑えられているからOK!(この例でいえば、新患さんもなんだかんだで30名獲得できていれば十分!!)と思える先生なら問題ありませんが、集客数が減るのは困る・・・という先生であれば、この結果は大問題といえますね。
最近ではPPC広告ですら、そこまで集客コストが安くは無かったりしますからね。汗
以前はCPA4000円程度で獲得できていた地域でも、だんだんとCPAが5000円になり、6000円になり・・・という風に上がっている地域は少なくありません。
その時に昔の感覚から抜け出せずに、CPAが6000円もかかるならもうPPC広告はやめる!!!なんていう判断になっていては、いずれ何も使える広告媒体が残っていない・・・なんて状況もありえますからね。汗
これがCPAを下げることだけに執着してしまった集客戦略の末路なのです。汗
満足のいく新患人数を獲得できるCPAで成り立つ経営構造にする
では、どのようにしていくのが望ましいかというと・・・
例えばあなたの院が毎月欲しい新患さんの人数が50人だったとしましょう。そして平均CPAは8000円かかってると。そしてLTVは20000円ということにしておきましょうか。
すると、どう計算しても1人あたりの患者さんのLTVを考えると、CPA8000円はかかりすぎてると感じていたとしましょう。(実際LTV2万で、集客コスト8000円かけるのはきついですね。汗)
多くの人がこの時に「じゃあCPAを4000円まで下げればなんとかなるな!」と考えて、CPAを下げるようにいろいろするのですが・・・
まぁ先ほども言ったように、だいたいCPA4000円になるころには、集客の人数も下がってます。笑
そうではなく、CPA8000円がLTV20000円に対して高すぎるなら、集客のほうではなく後ろのビジネス構造を組み変えてLTVを伸ばすこと(例えばLTV5万円くらいまで)で、CPA8000円でもビジネスが成り立つように仕組みを変えていくことが本来あるべき形なんですね!
どうでしょう?仮にLTVが5万円になるとわかっているのであれば、CPA8000円が高いとは決して思わないのではないでしょうか?^^
つまりCPAを下げようとして、自分の集客活動に制限を加えるのではなく、後ろ側の仕組み(例えば治療院でいうのであればリピート率を伸ばす、回数券の成約率を上げる、物販などのアップセル、クロスセルを増やす)を整えることで、満足のいく新患さん人数を獲得できるCPAを維持するという考えが、経営に安定感を与えるのです!
ここの考えが変わると、集客に対する視点がガラっと変わります。
取れる集客の手段だって、一気に選択肢が増えたりもします。
簡単なことではなりませんが、ぜひ試してみてもらいたいですね^^
まとめ.そもそもCPAを下げて集客人数を変えるな、ということがおかしい
だいたい「CPAは下げたいけど、集客人数は維持したい(どころか増えて欲しい)」なんていうのは、「ケーキは毎日好きなだけ食べたいけど、体重は痩せさせて欲しい」っていうくらい滅茶苦茶なことなんですね。笑
食べる代わりにめちゃくちゃ運動する、などの代替案もあるわけですから、絶対に不可能とはいいませんが、かなり難しいことであることは想像できるでしょう。汗
ダイエットを例に出すと、どれだけ無茶な要求をしているのかが少しは伝わりやすいと思います。
もちろん、それまでやっていた集客の質が悪すぎれば、一旦はCPAも下げながら集客人数を増やすことも可能といえば可能です。
PPCの設定のやり方が良くないとか、チラシのデザインがイマイチとか、まぁそういったケースでCPAが悪化しているケースだって当然あるでしょう。
こういった段階で問題が発生している院は、各媒体の質を高めることで一旦CPAを下げることも目的にしても構いません。
しかし、ある程度の集客を一通り行った後(ある程度のクオリティには到達している状況)であれば、それ以上集客人数を増やしていきたいのであれば「CPAを下げる」という視点は一旦抑えて、CPAが多少上がってもLTVを上手にコントロールしながら新患さんの人数を増やしていく、という方向へ戦略をシフトしていかなければならないのです。
そうすることで使える集客媒体も増えるし、競合よりも広告を出せるので競争に勝つことができるようになります。
その際に増えた広告費はちゃんとそのあとのビジネス構造で回収できるようにする。
この形を取れてはじめて治療院経営がどんどん拡大していける準備が整うのですね^^
そして、その後治療院の認知度が高まっていき、無料でのSNS集客や、紹介新患さんの数がだんだんと増えてくる頃には、自然とCPAを下げても集客数がある程度確保できる安定期と言えるようなステージにまで治療院が成長していれば、その時には自然とCPAが下がっていることでしょう!
しかし、まだまだ院を成長させていきたいという思いがあって、あなたが現状ある程度集客をこなしていて、そこからの頭打ちを抱えているのであれば、ぜひ今回の「CPAを下げることを手放して、その後のビジネス構造を整えてLTVを上げる」ことを意識して行動されてみてはいかがでしょうか?
これが成長期における治療院が念頭におくべき集客戦略の方向性であり、そうすればきっとまた新患さんもしっかりと増えていきますよ^^
この記事を通して、できる限りたくさんの整骨院業界に関わる人に、整骨院の経営のノウハウを届けていきたいと思っています。もし、記事が面白いと思ったのであれば、
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