今年の10月は制度的な変更が非常に多い月になりましたね。
インボイス制度の正式施行や最低賃金の増加など、労力的・金銭的負担増の影響は治療院業界でも避けられないでしょう。
「自分にはそこまで関係ないかも??」と思っている先生もいらっしゃるかも知れませんが、こういった制度の変更はジワジワとボディーブローのように効いてくることになるので気を付けてくださいね!
そこで今回は、具体的な手法というわけではなく、こういった制度の変更に伴ってどういった意識変化をしておくことでしっかりと対応できるようになるかについて触れていこうと思います。
目次
負担増に対して院内の仕組みを変えることで適応していく
最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一、生き残るのは変化出来る者である。 チャールズ・ダーウィン
これはダーウィンが1859年に発表した「種の起源」にある進化論ですね。
生物が生き残るために唯一絶対に必要なものは強さでも賢さでもなく、環境の変化に適応できる能力(自らも環境に合わせて変化していく能力)であると言っているわけです。(すごくザックリとしたまとめ方ですが。汗)
これをそのまま企業に当てはめるのもアレですが、企業にも近いことが言えるとは考えています。
今回はこれがインボイス制度の施行や最低賃金の増加でしたが、これからも年を経るごとにどんどん治療院業界(あるいは日本や世界)を取り巻く環境は変化していくことでしょう。
その証拠に今現在に至るまでにどんどん保険診療制度は厳しくなっていますし、グーグルのSEOのルールもE-E-A-Tに則って変化を続けていますし、ありとあらゆるものにAI技術が活用されたりと、法制度から技術革新まであらゆるものが変化し続けています。
もし30年前の柔道整復師に質問できたとして「保険を辞めて完全自費にしてみようと思うけど、どう思う??」なんて質問すれば「は?せっかく資格取ったのにバカなの?」とでも返されるかも知れませんね。
しかし今の治療院業界であれば「少しでも早く自費にしたほうがいいよ!」と返事をする先生もかなり多いことでしょう。
まさに現在進行形で環境の変化に僕ら治療院業界も適応していっているわけです。
インボイスや最低賃金の増加で何が変わる?
当たり前ですが、最低賃金の上昇によって、これまでパートさんやアルバイトを雇っていた院は程度の差こそあれ金銭的な負担増を抱えていくことになります。(そして、それは今回に限らず今後さらに最低賃金は上がっていくことでしょう)
ちなみに、今回の変更において最も最低賃金が低かったのは岩手県の893円で、最も高かったのは東京の1113円で、全国加重平均額では1004円と初の1000円台に乗ってしまいました。(加重平均っていうのは、都道府県ごとの労働者数の違いを考慮して、人数が多いところほど重み付けした上で平均する計算方式です)
インボイスの施行では、先生によっては申告や納税の業務負担が増えるケースもあるでしょう。
インボイス制度によって、事業者によっては仕事の受注や報酬が減る可能性があるということが指摘されていますが、幸い、ほとんどの場合治療院はBtoCのビジネスなのでそのあたりの影響は限定的なのかな、と考えています。(課税売上高が1000万以上の事業者しかインボイスを発行することができず、取引先が課税事業者だった場合、従来の請求書では仕入額控除が行えないため、今後は取引相手を免税事業者ではなくインボイスの発行が可能な課税事業者に絞る可能性があると指摘されていますね。)
そういったケースよりは、単純に個人事業主などでこれまで免税業者だった先生が、課税業者となった場合などに、発生したすべての取引について消費税の区分を設定し、取引先から受け取った消費税と自ら収めた消費税を差し引いた金額を計算したりと、こういった業務負担増のほうが現実的に起こりえることでしょう。(といって、このあたりはインボイス制度に対応した会計システムなんかを利用すればかなり仕分けの手間は軽減できそうですが)
また負担だけ増えた・・・と諦めますか?
こういった変化に対して「自分一人が騒いだところで何が変わるわけじゃないし、仕方ない・・・・・・」と甘んじることしかできないでしょうか?
そんなことはありませんね。
確かに制度自体をどうこうすることはできませんが、この変化に対応していくこと自体はできるはずです。
僕のクライアントさんではこういった負担増に対応して10月から値上げを始める方が非常に多かったです。
少数派ではありますが、施術時間を短くして予約枠を増やすことで売上UPを狙うという先生もいましたね。
賃金が上がるからといって、スタッフさんをすぐに首にするわけにもいかないですし、こういった院内の変更によって負担増以上に、売上をアップさせていくための動きをすぐに取り出しているわけです。
まとめ.環境に文句を言うのではなく自分を見つめなおす
結局のところ、法改正や技術革新などはどうあがいたって自分のコントロール外なわけです。
どんな変化が起こったとしても、そこに文句ばかり言っても何も始まらないわけですね。汗
であれば、結局なにかできるとすれば自分や自院を変えていくことだけでしょう。
上記で触れたクライアントさん達のアクション自体が、正解かどうかという話ではなく、最初に述べた通り「環境の変化に適応し続けていく」という意識を持つことが大事なのです。
あなたは今でもどんどんと変わり続けている環境の変化に対して、同じだけのスピードで自分自身を変化させられているでしょうか?
気づいた時に、どうしようも無くなってしまわないように、常に「変化」に対するアンテナは貼り続けておけるようにしましょう^^
そうすれば、きっと今後どのような変化があったとしても、あなたの院は変化していく治療院業界でも生き残っていけるはずですよ!
この記事を通して、できる限りたくさんの整骨院業界に関わる人に、整骨院の経営のノウハウを届けていきたいと思っています。もし、記事が面白いと思ったのであれば、
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