院内の仕組みは「60点主義」で考える

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セミナーや勉強会なんかに参加すると「仕組みが大事」とか「仕組みがないといけない」とかいうことをよく聞くと思います。

確かに仕組みは大事ですし、僕自身仕組み化を進めることはとても大事だと考えていますが・・・

勘違いしてはいけないのが「仕組みは決して魔法ではない」ということです。

仕組みがあるだけで全てがうまく行くわけではありませんし、「仕組み」というモノに対して、過度に依存したり、過大評価してしまってはいけないってことですね。

時々「仕組み」という「魔法」ができあがれば、院がそれで100点満点に動いていくという印象を持っている先生がいらっしゃいますが、残念ながら人が仕組みを回していく以上「仕組み」があるからといってそれだけでOKなんてことはありえないのです。

たとえばヒューマンエラーなんかは、どうしたって避けては通れないものですしね。汗

それどころかむしろ、現場のスタッフが扱う仕組みに関していえば「60点主義」で考えることのほうが、逆に成果に繋がりやすくなるくらいだったりするんですよ!

どういうことかというと・・・

院内の仕組みは60点主義を目指す

集客やマーケティングなどの「人が関わらない」部分の仕組みに関していえば、しっかりと100点満点の仕組みを構築していくことを目指していくのも良いでしょう^^

しかし、「問診」などのスタッフが絡む仕組みに関していえば、仕組みでガチガチに固めてみんながまったく同じ(というのがそもそも無理がありますが)問診なんかにするよりも、ある程度個人個人の個性というものを許容して、それぞれのキャラクターにあった問診にしたほうが良い成果に繋がりやすいということなんです!

 

これは分院などにも同様に言えることで、駅構内に店舗を構えている院と、郊外に店舗を構えている院のどちらも持っているようなグループ院であれば、院ごとに多少やり方が違う部分があったとしても、そういった差が生まれてくる部分は(よほど院の根幹に関わるようなものではなく、あくまでも表面上のものであれば)素直に受け入れたほうが成果にも繋がっていきやすくなるんですね!

例えばセブン〇レブンのような仕組みガチガチの企業だって、駅前なら駐車場はありませんが、郊外にある店舗なら広い駐車場を用意していますよね?全店舗まったく同じ仕組みにこだわりすぎて駅前ですら広い駐車場を確保しようとしたら家賃が上がり過ぎてキャッシュが回らなくなる可能性があるでしょう。このように地域条件がまったく違う以上、仕組みがあったとしても店舗ごとに多少の差が生まれることは別に問題ないわけです。むしろそれは環境に対する最適化とも言えるでしょう。

 

スタッフが絡む仕組みは到達点(ゴール)ではなく土台(ベース)

スタッフさん一人ひとりを見た時に、元気の良いスタッフだったり、落ち着いた安心感のあるスタッフだったり、ちょっと気が弱そうに見えるスタッフだったりと・・・(あるいは単純に若い先生だったり、ご高齢の先生だったりといった身体的な差だったりですね。)

スタッフさんの個性というのは一人ひとり違いがありますよね?

そういった個性というのはどうしても問診やプレゼンなどで患者さんに対応した時に出てしまうものです。そしてそれは決して悪いことではありません。

その「差(個性)」を無視して「特定の誰かがやりやすい問診」を100%ガチガチに仕組み化してしまうと、スタッフによってはすごく成果が出せるけれど、スタッフによっては(個性とかみ合わず)成果が出にくくなったりする場合があるのですね。

 

 

個性によって、やりやすい、やりにくいといった感覚が産まれるため仕組みをガチガチにしたのに、結局成果にはバラつきが生まれてしまうのです。汗

これはまさに「仕組みのみ」の時点で完成形(ゴール)を作ろうとしてしまったことによって起こりがちな失敗と言えるでしょう。

 

そうではなくスタッフが使う仕組みを考えるのであれば

 

 

こんな感じで最低限絶対に必要な60%の部分だけを共通項にして、残りの40%は各スタッフの個性を活かせるように、それぞれにあったやり方を磨いてもらうようにしたほうがよっぽど全体の成果は伸びていくものですよ^^

まぁ別にもう少し仕組みの部分の割合を増やして70%(80%)を共通の仕組み、30%(20%)を個性という具合でも良いですが、要は全員をまったく同じにするって発想ではなく、一部だけでもスタッフの個性を許容できる考えを持って欲しいってことですね!

この部分がまさにリピート率アップや成約率アップといった成果に繋がる可能性を秘めた「助長」となる部分であり、実はメチャクチャ大事な部分だったりするのです!(助長と書いたとおり、良くなる可能性もあるし、逆に悪くなる可能性もある、どちらの要素も含んだ部分ですね。笑)

 

ちなみに、この時に気を付けて欲しいのは、いくら個性を許容することも大事とは言え、共通の仕組みも無しに100%全部をスタッフの個性に任せるようなやり方もダメということです。

個性を大事にしたほうが良い、とは言っていますが、実際に問診などには成果を出すために「守るべき話す順番・構成」だったり「絶対に伝えるべきこと・するべき質問」なんかがあるのも事実です。

なので、そういった「外してはいけないルール」はしっかりと仕組み化(60~80%くらい)して全スタッフに共通ルールとして徹底し、それ以外の「話し方」だったり「表情や呼吸、間の取り方」など個性が出やすい部分に関しては、むしろ積極的にスタッフのオリジナリティーも同時に大事にしていけば良いというわけですね^^

 

 

まとめ.仕組みは土台、完成はその先

今回の話はあくまでも「人」が関わる部分の仕組みについての話です。

一切人が関わらない機械的な部分に関していえば、ちょっと誇張して言えば本当に仕組みの出来が100%ものを言います。

しかし、スタッフに関わる部分の仕組み(や分院ごとの地域差が生まれやすい部分)を同じように100%ガチガチに固めてしまうのは個性を無視して、逆に成果に繋がらなくなったりするのです。

いわゆる日本の伝統芸能の正解における「守破離」の考え方に近いのですが、全員が共通して真似して守っていく「守」の部分が「仕組み」、そこから少しずつ自身の色を出していく「破」の部分が「個性」というような具合ですね。

仕組みはあくまでも土台です。(そして、これはこれで非常に大切です。土台も何もなく個性を大事にしているという院はなかなか成果が安定しないことが多いのも事実です。)

そこからスタッフがそれぞれの個性を生かして味を加えていくからこそ、共通のルールで固めたガチガチのやり方をさらに超えた成果の出る、そのスタッフの完成形が出来上がるのです^^

仕組みづくりでなぜかスタッフごとに成果が出たり出なかったりすることがあると悩んでいる先生は、こういった「個人に根付いた資質」の部分を無視しすぎていないか一度見直されてみてくださいね!

 

 

 

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